今月30日に行われるイラクの国民議会選までは二週間と迫りましたが、イラク国内の安全情勢は、依然として改善を見せていません。アメリカとイラク暫定政府とイラク国内の武装組織は、国民議会選挙を巡って激しい競争を行っています。17日イラク国内で発生した武力事件では、再び数十人の死亡者が出ました。
イラク駐在のアメリカ軍は17日、「24時間内に、アメリカ軍はイラク北部の最大の都市モスルで行った掃討作戦で、少なくとも反米武装勢力7人が死亡し、12人が逮捕された。現在アメリカ軍とイラク安全部隊はモスルやその周辺地区で、1万2000人あまりの人々を結集し、まもなく行われる議会選挙に備えている」と発表しました。
スンニ派の主な反米拠点であるファルージャ付近で、イラク安全部隊はこれまでの48時間に行った掃討作戦で、少なくとも反米武装勢力35人が死亡し、64人を逮捕しました。バグダッド以北のバクバ南部地区で、イラク安全部隊は17日朝、約60人の反米武装勢力のメンバーを逮捕しました。
これにもかかわらず、反米武装勢力の暴力事件は少しも緩和されていません。17日、バクバ町、イラク北部の都市パイジ、バグダッド以西のラマディ及びファルージャ以西などの地区では、反米武装勢力がイラク駐在のアメリカ軍やイラク国民防衛隊及び警察寮に武装襲撃を行いました。また、報道によりますと、投票所が設置された一部の学校も、反米武装勢力の襲撃を受け、選挙に従事する何人かの係り員は常に生命脅威を受けているということです。
イラクが当面する厳しい情況を前に、イラク駐在アメリカ軍ケーシー司令官は17日、「アメリカ軍を主体とする連合軍が大きな努力をしても選挙期間中の暴力襲撃は回避できない」と指摘しました。
イラク暫定政府の安全事務担当のサリへ副首相は17日、「イラク暫定政府は選挙当日の安全に関する準備を整えた」と述べました。
分析者は、「当面の情勢を見ると、深刻な安全問題とスンニ派のボイコットなどの問題があるにもかかわらず、国民議会選挙は予定どおり行われる。一方では、アメリカ政府とイラク暫定政府にとって、議会選挙は予定どおり行われるかどうかは、イラク情勢をコントロールする力と現行政策を成敗する象徴であると見ている。もう一方では、多くのイラク人は選挙が予期どおり行われることを期待している。イラク人口の60%を占めるシーア派は今回の選挙を非常に熱心している。国際社会、より多くの国々も、イラク人民が広範的な代表性、権威性を持つ政府を樹立し、できるだけ速く、『イラク人によるイラク管理』を実現するため、イラクの議会選挙が予定どおり行われることを期待している」と指摘しました。
|