イギリスのブレア首相はイスラエルとパレスチナ訪問の途中、21日に突然イラクを訪問しました。イラクの国民議会選挙が近づき、イラク国内で暴力襲撃事件が発生最中に、ブレア首相はなぜ突然バグダッドを訪問するのか。これは人々の注目を引いています。
ブレア首相は事前発表をしないで、21日午前イギリス軍の輸送機でヨルダンから、現地時間21日午前11時にバグダッド空港に到着しました。ブレア首相はその後、連合軍指揮官とイラク政府高官、イラク選挙委員会高官らと会談を行いました。
会談後、イラク暫定政府のアラウィ首相と共同で開かれた記者会見で、ブレア首相は、「イラク国民議会選挙を完全に支持する。イラクの治安情勢が厳しく、選挙を破壊する目的の襲撃事件が頻発するにもかかわらず、選挙は予定通りに行い、しかもイラク各界の広範囲な参加がなければならない。イラクは現在、民主主義とテロリズムの対決に直面している。予定通り選挙を行うことで、イラク治安情勢の好転を推し進めることができる」と述べました。アラウィ首相も、「イラクの一部の党派と団体が治安の問題を理由に選挙を延期するよう要求したが、暫定政府はその意見を退けて予定通りに選挙を行うと決めた」と述べました。
バグダッドを訪問した後、ブレア首相はイギリス軍が駐留するイラク南部のバスラ地区を視察するとともに慰問しました。45分間に、ブレア首相はバスラ地区にある二カ所のイギリス軍基地を視察し、約500人の士官や兵士に会った後、「イラクと世界のために、イギリス軍のイラクでの使命は非常に重要で、価値のあるものだ」と強調しました。
イラク前政権が転覆した後、ブレア首相はすでに三回もイラクを訪問しましたが、前の二回の訪問では、ブレア首相はバスラのイギリス軍の駐屯地を視察し、慰問しましたが、バグダッド訪問はしませんでした。
分析筋は、「ブレア首相の今回訪問は主に、二つの目的がある。一つはクリスマス前夜で、イラクに駐留する8500人のイギリス軍を慰問し、士気を鼓舞し、兵士の心を安定させ、それと同時に、これによってブレア首相自身がイラク戦争のために国内で損ったイメージを改善することだ」としています。
重要なのは、イラク国民議会選挙を応援することです。現在、イラク国民議会選挙の予定日まで6週間ですが、イラク国内の暴力的襲撃事件はまた増える傾向にあります。19日にイラク南部の二つの地区で発生した爆発事件で、67人が死亡し、175人が負傷しました。また、ブレア首相がイラク訪問した当日、イラク北部のモスルにあるアメリカ軍基地が砲撃を受け、「少なくとも22人が死亡し、50人余りが負傷した」とアメリカ国防総省が証言しました。このほか、選挙事務を担当する高官も襲撃や暗殺の標的となっており、大まかな統計によりますと、すでに9人の選挙関係者が殺害されました。襲撃事件のエスカレートによって、選挙が予定どおりに行われるかどうか、人々が注目する焦点となっています。こういう重要な時期に、ブレア首相がイラクを訪問する主な目的は、選挙への支持を示し、予定どおりに選挙を行うよう、各方面に説得するということにあります。
ブレア首相は国内でも大きな反戦圧力に直面しているから、イラク情勢がいち早く正しい軌道に乗ることを切実に期待し、また、予定どおりに選挙を行うことによって、イラク情勢を安定させることに希望を寄せているということです。
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