関係各方面が絶えず努力した結果、ウィーンで開かれている国際原子力機関(IAEA)の理事会が29日にイランの核問題に関する決議を採択し、イランが自ら濃縮ウランに関係するいかなる活動を全面的に中止したことから、イランの核問題を国連安保理に提出しないことにしました。この決議は国際社会から前向きに評価され、国際社会の紛争と食い違いが交渉を通じて解決できることを表明しました。
イランの核問題が国際社会の視野に入ってから、国際社会の態度が二分されています。アメリカは強硬な手段を講じて、イランの核問題を国連安保理に提出し、国連による制裁の実施を主張しており、イランに対して軍事行動の発動を脅かしています。しかし、大多数の国が外交手段を通じて、国際原子力機関の枠組み内でこの問題を適切に処理すると主張しています。そのため、イギリス、フランスとドイツがイランと交渉し、紆余曲折があったものの、イラン核問題の解決に関する大まかな合意を達成しました。
イギリス、フランスとドイツはイランと交渉する中で、巧みな外交手腕と臨機応変の対処策を講じ、イランが原子力の平和利用に関する意見に耳を傾け、イランに核燃料を提供し、軽水反応炉の計画を支援することで同意しました。イランも交渉の中で、国際社会の要求を踏まえ、濃縮ウランに関係するいかなる活動をも中止すると承諾し、この問題が国連安保理に提出されることを免れました。双方の協力でIAEAによる決議が採択され、イラン核問題は対話と交渉の和平的手段で解決策を見出すことができることを明示しました。
ところで、イランの核問題は微妙かつ複雑なもので、短期間に解決しかねる問題です。IAEA決議の採択は最初の一歩を踏み出しただけです。調印した協議の中で定められた義務を着実に履行できるかどうか、交渉を通じて長期にわたる解決策を見出すことができるかどうか、イランでも、イギリス、フランスとドイツでも、直面している問題です。IAEAがイラン核開発の関連活動に対する査察を継続していく必要があるとされています。それと同時に、アメリカの対イラン政策は変わることなく、何かの口実を作ってイランに圧力を加える可能性があるから、また新しい紛争を引き起こす恐れもあります。
現在、和平の発展を求め、対話と協力を深めることは各国人民の共通する願いであり、国際社会の共通した認識でもあります。問題を解決する際、交渉と協力を強めていけば、お互いの理解と信頼を深めることができ、共に解決策を見出すことができるでしょう。問題を解決する際、もっぱら自分の考えたままで行動し、経済または軍事手段で制裁を加えることは問題の解決に役立たないでしょう。関係各方面が冷静になり、平等な立場で交渉し、積極的に協力すれば、イランの核問題は一日も早くIAEAの枠組み内で適切に解決できるでしょう。
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