西側の通信社が25日ウィーンから伝えたところによりますと、IAEA・国際原子力機関はイランの3箇所の軍事施設の査察問題でIAEAとより良好な協力をするようイランに要求しました。一方、6月14日にIAEA理事会会議が開かれ、イランの核問題について討議し重要な決定を下すことから、IAEAがこの敏感な時期にこういう要求を出すのは輿論に注目されています。
このほど、IAEAはウラン濃縮に用いる新たな遠心分離機の製造や組み立てを行う3箇所を査察した際、「ここは軍事機構であるため、カメラと電子検査測定器の使用が禁止されると同時に、査察活動もイラン側の関係者の同行の下に行われなくてはならない」と通告されました。IAEAは核査察に協力する誠意を表すため、これらの制限を取り消すようイランに要求しました。イラン側は、「別に隠すつもりはなく、軍事機構はスーパーではなく、外国人に対する制限は当たり前のことだ」と説明しています。
専門家は、「イランの核問題を巡って、イランとIAEAとの間には問題が常に発生しているが、双方の話し合いと妥協を通じて、最終的に解決されてきた。特にここ数ヶ月、双方の協力は全体的に言えば良好だ」と分析していま す。先週末、イランはIAEAにその核活動を紹介する文書を提出しました。IAEAのイラン駐在代表は「これはイラン側の更なる善意的な行動だ」と指摘しました。IAEAのエルバラダイ事務局長は5月のはじめ、「イランの一部の派は西側と協力するが、一部の派は反対する。しかし、全体的に言えばIAEAとイランの協力は順調に進展している。これと同時に、イランはIAEAとの協力を更に強化しなければならない。国際社会は無期限には待たないだろう」と表明しました。
アメリカは長い間、イランが秘密の核計画を通じて、大量破壊兵器の開発を企んでいると非難しています。去年11月、IAEA理事会会議でアメリカはイランの核問題を国連安保理に提出すると強く主張したが、大多数の同意を得ませんでした。その後、イラン側はIAEAとの協力を改善し、その積極的な姿勢はIAEAと多数の理事国の評価を得ました。
今年3月に行われたIAEA理事会会議で、アメリカはイランが去年10月にIAEAに提出した核声明でP2遠心分離機の部品と設計図などの肝心なところが漏れていたことを口実として、「イランが核計画を隠しごまかしている」と厳しく非難する声明の採択で再びIAEAに圧力を加え、安保理に提出する選択権の保留をも強調しました。しかし、この会議で、ドイツ、フランス、イギリスなど大多数の理事国は、イランが核計画をはっきりさせる面で果たした努力を十分認め、IAEAとの更なる協力をイランに促しました。
各種の兆しから見れば、アメリカのイランに対する高圧的な政策は変わらないでしょう。イランは最近、公正かつ正しい決定を下すことをIAEA理事会に希望していると表明しました。現在、IAEA理事会の6月の会議までわずか3週間しかありません。今回の会議はイラン核問題で再び人々の視線を向けさせるでしょう。
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