日本の参議院に当たる中国第10期全国政治協商会議第2回会議と衆議院に当たる第10期全人代・全国人民代表大会第2回会議は相次いで北京で閉幕しました。
全人代は中国の最高国家権力機関であり、全国政協は最高クラスの助言機関と言えます。このため、毎年3月に開かれるこの2つの会議はその年の中国の政治生活における最も重要な出来事の一つです。
毎年この2つ会議のスケジュールはいっぱいとなりますが、今年の全人大会議では憲法改正案が審議、採択されたほか、温家宝首相の政府活動報告及びその他の重要な報告が採択されました。また、政協会議では政協規約改正案などが採択されました。
これら重要な議案から、中国の指導グループの執政理念に『人を基本とする』という精神がよく表れています。
『人を基本とする』と言う言葉はここ数年、中国の政治の舞台とマスコミでよく言われています。この精神は中国の政治分野に新しい雰囲気をもたらしています。
今回の会議で採択された憲法改正案には「国家は人権を尊重し、保障する」とうこと及び、「国家は公民の合法的な私有財産を保護する」などの内容が増加しました。これは『人を基本とする』と言う政治理念が執政党の提唱している政治主張から国家の最高意思に高められたことを物語っています。
数千年の封建的な歴史をもっていた中国にとって、『人を基本とする』精神が政治文明に果たす積極的な意義は極めて大きいのです。
今期政府が政権について以来、理念を実践に移す多くの具体的な例があります。
例えば、都市部でのホームレスに対する強制的な収容と送還制度を廃棄したことや、貧しいエイズ患者のため無料治療を行うこと、農民の収入増加の措置を打ち出したことなどです。
これまで、多くの地区ではややもすれば、経済発展を重視し、社会と人の進歩を無視しました。このため、資源の過度な消耗、環境の破壊などの問題がもたらされ、人々の生命と健康及び、社会の持続可能な発展にマイナスの影響を及ぼしました。
今日、中国政府は『人を基礎とする』という発展の理念を強調し、民衆の生活レベルと健康レベルの向上を目指して、全面的で、調和の取れた持続可能な発展を提出しました。これは、社会と人の発展を全面的に促していくでしょう。
『人を基礎とする』と言う理念は多くの分野に積極的な影響をもたらしています。
まず、人民の政府への監督が強化されたほか、科学的で民主的な政策決定体制を一層完備させたことです。
温家宝首相は、重大な政策決定で科学的で民主的な論証を行い、民衆の意見を聴取し、こうしたやり方を制度化することをこれまで、たびたび強調してきました。
政府機能の転換が加速されことです。会議期間中、温家宝首相は「政府をサービス型に変え、市場主体や社会に奉仕し、最終的には人民のために奉仕することだ。」と話しました。「管理」から「奉仕」へ、今期政府の自らの職能の刷新を示しています。これこそ、『人を基礎とする』理念です。
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