温家宝首相は、今年の政府活動報告で、「就業増加は政府の重要な職責である。今年の目標は、都市部の就業人口を900万人新しく増やし、一時帰休者の再就職人口が500万人増えることである」と指摘しています。この二つの数字は、いずれも去年の指標を上回っています。今年の財政から就業に拠出される補助金も去年より倍近く増えます。これは政治協商会議委員の大きな反響を呼んでいます。
そこで今日は政治協商会議委員が就業と再就職に関心を寄せていることについてお話しします。
東部都市の上海からきた黄関従委員は、長期に亘って職業教育に従事している学者で、現在の中国の就業状況に懸念を示しています。黄関従氏は、「就業問題は13億の人口を持つ中国にとって際立った難題である。関係部門の計算によると、これからの10年から20年までの間に中国の労働力の数は依然として減るどころか増えていく」と述べ、更に、「現在、中国の就業状況の厳しさは依然として極めて大きい、先ず毎年都市部で新しく増える就業人口は1000万人に達するほか、再就職を求める一時帰休者らの数は合わせて1400万人を数えている。温家宝首相の政府活動報告では、新しく増える就業と再職職の目標が提出された。私はこの目標は確かにかなり大きいが、就業の増加は毎年必要で、一回だけの増加では足りない、と考えている」と述べました。
黄関従氏は今回の政治協商会議で、『自由業者の集団を育成し、就業を促す』と題する提案をしました。黄関従氏は、この提案について「自由業は国外でかなり流行っており、現代サービス業がこの範疇(はんちゅう)に属している。例えば、メディア業種の創意工夫、広告設計、印刷設計、ソフトの開発などは1人で自宅でやることができる。また、現在大都市の現代化の程度がかなり高く、文化面の需要も増えている。彫刻や絵画も1人で自宅でやることができる。自分の構想で新しい職業を形成させる必要がある。2003年全国都市部で登録された失業率を4.5%以内に抑制する目標を実現した。今年は4.7%前後に抑える必要ある。このため、各級政府と社会各界の共同の努力が必要である」と述べました。
もう1人の委員郭松海氏は、経済が割合発達している沿海地区の山東省からきた人です。郭松海氏は農民の就職問題に最も関心を寄せています。山東省は野菜栽培の大きな省で、生産規模が拡大され、科学技術が応用されていることから、ますます多くの農民は土地を離れ、都市に来て出稼ぎをしなければなりません。現在、全国農村から都市に来た農民労働者はおよそ9000万人余りに達しました。
郭松海氏は、「農民労働者の技術養成を着実に進めることは都市での就職問題を解決する重要なルートである」と考え、更に、「中国の農業労働力の資質は低く、その文化レベルも高いとは言えない。これらの人たちの就職問題を解決するには、多くのルートを通じて解決しなければならない。つまり、第三次産業、とりわけ家庭サービス、コミュニティサービス業の発展に力を入れなければならない。ニ、三ヵ月の訓練を通じて、これら農民に一定の技術を身に付けさせる必要がある。中央政府は就業と再就職問題の解決に力を入れるが、就職者自身も勉強に努め、自分の素質を向上させ、社会の発展に適応する必要がある」と述べました。
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