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震災後の臥竜自然保護区
   2008-06-09 22:37:01    cri

仮設住宅の建築材を輸送するトラック

成都から雅安行きの高速道路、トラックが集合中

 中国パンダ保護研究センターの所在地である臥竜自然保護区は四川大地震の震源地・ブン川にあります。

 5月12日の大地震で、ブン川の映秀を経由して臥竜に入る道は遮断されました。その結果、震源地の映秀から8キロ離れた臥竜自然保護区は離島となり、1935年に中国労農赤軍が長征の途中、登り越えた初めての雪山?夾金山(ジャー・ジン・シャン)の山道が、いま臥竜に行ける唯一の通路となったのです。

夏善明さん(左)と彼の同僚

夾金山の麓にあるレストランの中

 このほど、中国国際放送局の姜平記者は救援物資輸送チームに同行して、成都から、雅安、小金を経由して、夾金山から臥竜に入りました。

 6月3日の午前、8台の貨物トラックが成都から雅安行きの高速道路を走っています。トラックには、6400平米の仮設住宅用の建材が積んあります。目的地は500キロ以外の臥竜自然保護区です。地震前、成都から臥竜までは車で3時間ほどでしたが、今は少なくとも12時間以上はかかります。

リゾート地だった日隆鎮

今の日隆鎮

 「仮設住宅に移れば、(臥竜の人々の暮らしは)今より少しは便利になるだろう。今テントに泊まっている人に、少しでも住みやすいところに移ってほしい」と、夏善明さんは枯れた声で話していました。

 夏善明さんと三人の同僚は蘇州のある浄化設備生産会社の技術者で、会社が臥竜に無償で提供する仮設住宅の建築材を護送するため、夜も眠らず2日間で成都に駆けつけてきました。臥竜に着いたあと、彼らは仮設住宅の建設指導を担当し、地元に4週間ぐらい滞在する予定です。

露天食堂で夕飯を用意しているコックさんたち1

露天食堂で夕飯を用意しているコックさんたち2

露天食堂で夕飯を用意しているコックさんたち3

露天食堂で夕飯を用意しているコックさんたち4

露天食堂で夕飯を用意しているコックさんたち5

露天食堂で夕飯を用意しているコックさんたち6

露天食堂で夕飯を用意しているコックさんたち7

 夏善明さんの会社は医薬品を生産するための無菌室の建造に詳しく、特に保温性の高い仮設住宅を製造しています。普通の仮設住宅は、保温材の厚さが5センチだけですが、今回調達したものの保温材の厚さは10センチです。

 午後5時ごろ、トラックが夾金山のふもとに着きました。夏善明さんたちは簡単にそうめんを食べてまた出発しました。そして深夜の2時30分、トラックは夾金山を越えて、小金県の日隆鎮に着きました。

援助部隊の兵士たちが仮設住宅の建築材を卸している1

援助部隊の兵士たちが仮設住宅の建築材を卸している2

援助部隊の兵士たちが仮設住宅の建築材を卸している3

 海抜3180メートルのところにあるこの日隆鎮の夜の寒い風は実にこたえます。夏善明さんたちはトラックの運転室にこもって一晩寒さに耐えました。

 日隆鎮はリゾート地で、現地の住民は主にレストランと旅館を経営しています。そして毎年の6月には、日隆は観光客でいっぱいになるはずですが、今は人影ももばらです。

朱ヨウ基元首相が題字した「臥竜パンダ博物館」の横額

臥竜自然保護区の仮設オフィスエリア

 朝5時、夏善明さんたちが起きてきました。トラックの近くのテントに避難している趙ケイ(王偏に京)さんは、現地でホステルを経営していますが、地震で六階建ての建物が倒れそうになったので、仕方なく今は家族8人がテントに泊まっています。

 54歳の趙ケイさんは夏善明さなたちがブン川の臥竜に援助物資を輸送してきたことを知り、バターティーをご馳走することにしました。

臥竜の救済援助本部

臥竜行きの道を24時Kなパトロールする肖さんたち

 バターティーを入れながら、趙ケイさんは、「日隆は震災に見舞われたが、死傷者はすくなかった。ここより被害がもっとひどい所がある。ここの住民たちは義捐金として合わせて4万元を被害がもっとひどい地区に寄付した。これは私達の気持だけだが・・・」と話しました。

姜平記者と趙ケイ家族

趙ケイさんと孫たち

趙ケイさんの家族たち

 趙ケイさんの嫁の余四さんは、お湯を沸かしながら、「ホテルを建てるため貯金を全部使おうと思ったけど、地震で貯金がなくなった。でも、私達は運がいいほう。住まいはなくなったけど、死んではいない。だからこれからは自力で頑張っていく」と話しました。

 午前11時ごろ、臥竜まで後7キロのところまできました。実は20分前にここで土砂崩れが発生したばかりで、道路が遮断されました。四台のショベル掘削機が路面を遮断した岩石と樹木などの障害物をどかしていました。

臥竜行きの道路を補修する作業員たち1

臥竜行きの道路を補修する作業員たち2

 「我々の作業は救援物資の輸送を保障することだ」と現場の責任者肖さんが話しています。

 ところで、19歳の肖さんと5人の同僚が29キロの区間内を13日から毎日24時間パトロールしてきたのです。

途中乗り越えた雪山1

途中乗り越えた雪山2

 正午、夏善明さんたちは四川省阿バチベット族チャン族自治州のブン川県の西南部にある臥竜自然保護区に着きました。

 ここでは30人あまりの援助部隊の兵士たちが夏善明さんたちに手伝って、4台のトラックから仮設住宅用の建築材を空き地に下ろしました。これからの一週間に、またも22台のトラックが2万平米以上の仮設住宅の建築材を臥竜に運んでくるのです。こうして1000世帯の住民は、テントでの生活をまもなく終え、条件の少しいい仮設住宅に移ることができるのです。(取材、撮影:姜平)

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