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「水立方」に凝らされた工夫
   2008-01-22 15:12:26    cri

世界初のフィルム素材の建物に凝らされた工夫

ーー国家水泳センター水立方工程部・冉福光経理ーー

 31会場ある北京五輪の競技場で、一際、目を引く会場の一つに「国家水泳センター」があります。全体が青い膜で覆われ、太陽光が反射すると、まるで水滴が全体を覆っているようにも見えます。愛称、「水の立方体」(ウォーター・キューブ)として親しまれています。突貫工事が続く工事現場で、工程部で工事建設に担当している冉福光経理にお話を伺いました。

 先進的な環境技術の駆使

 Q 先ずは、国家水泳センターの概況をご紹介お願いします。

 A 国家水泳センターはフッ素樹脂・ETFT膜というフィルムを使ってできた世界初の建物です。北京五輪の三大理念である「緑色、科技、人文(グリーン、ハイテク、ヒューマン)」を一体にした競技場です。

 Q 環境にやさしい技術は、例えば、どのようなものが応用されていますか。

 A まず、全体を覆うETTF膜は、太陽光をよく通すものです。これにより、昼間は屋内で照明を使わなくても、自然光だけで会場全体を明るくでき、かなりの省エネにつながります。また水泳館の周りの広場には、水を吸い込むレンガが使用されています。これにより、雨水が地表にたまらず、吸い込んだ水は、地下で集められて、再利用されます。また、会場周囲にはお堀のような水がめぐっていますが、この水は地熱を使って、冬でも凍らないようにしています。さらに、ETFT膜には自己洗浄機能があり、中程度の雨が降れば、綺麗になります。

 選手に優しい設計

 Q 設計では、選手たちの記録向上にも配慮したと聞きましたが、その点について教えてください。

 A 館内は、プールを始め各施設で選手のことを最大限に配慮したものになっています。まず、施設全体の「色使い」や「素材」が、人間にとって心地のいい感覚を与えるようなものに統一されています。またプールのレーン間の仕切りには、水の波紋を減少させる技術が使われています。これによって、泳いでいる選手に対する水の抵抗を最小限にすることができるのです。これが、今回採用された最先端の「記録向上」の新技術です。

 観客や身障者にも配慮・・・

 Q 観客に対する配慮はありますか。

 A こちらも、疲れないような視覚デザインを施していますし、また座席や周囲のインテリアでも、疲れを最小限にするような設計を行っています。

 Q ここではパラリンピックも行われますが、障害者向けのバリアフリーについては、いかがですか?

 A 障害をお持ちの選手、役員、そして観客のための座席がついています。また通路やトイレなども、全て障害を持った方に配慮された作りになっています。

 Q 大会後の利用について、どう考えていますか。

 A 設計は、大会後のことを十分に考えています。北京五輪終了後、若干の改修工事を行います。そして、国内でも最大規模の室内水上遊園地として生まれ変わる予定です。

 (取材:李軼豪、王小燕、姜平、記事:李軼豪)  

 冉福光(ラン・フーグアン)

 国家水泳センター項目管理部工程部・経理。成都科学技術大学水利学部卒業後、三峡水利プロジェクトを指揮。国家水泳センターの工事開始直前に、建設チーム入りした。2003年から、国家水泳センターの工事の質、進捗情況、安全などを管理する「経理」となった。「家族と一緒に過ごす時間があまりないが、五輪の工事に参加できることを誇りに思っている」と誇らしげだった。

 国家水泳センター

 愛称:水立方(ウォーターキューブ)

 敷地面積:79532平米

 座席数:永久6000席、仮設11000席

 場所:オリンピック村(中心地区)に位置する。国家体育場、国家体育館と並び立つ3大メイン会場の一つ。会場へは地下鉄・オリンピック支線(2008年完成予定)が乗り入れる。  

 これまでの歩み

 2003年7月:スタジアムの設計が確定

 2003年12月:工事開始

 2007年12月:竣工

 今後の予定

 2008年1月31日ー2月5日:プレ五輪「水泳の中国オープン」

 2008年2月19日ー24日:プレ五輪「飛び込みの第16回W杯」

 2008年4月16日ー20日:プレ五輪「シンクロナイズドスイミング予選」

 2008年8月9日ー21日:北京五輪「水泳」

 2008年8月10日ー23日:北京五輪「飛び込み」

 2008年8月19日ー23日:北京五輪「シンクロナイズドスイミング」

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