今週から、周莉アナウンサーに代わって担当することになった胡徳勝です。殷ジョアナウンサーや満尾さんと一緒に「中国の旅」をお届けしていきます。どうぞよろしくお願いします。
さて、今週の番組をご案内します。旅のワンポイントではシャングリラのプダーツォ国家公園を紹介しました。
シャングリラは「人間の天国」と呼ばれ、豊かな自然景観を保っています。イギリス人作家ジェームス・ヒルトンの「失われた地平線」に描かれた"理想郷"とされる秘境です。このシャングリラには中国大陸最大の国家公園、プダーツォ国家公園があります。今年、6月にオープンしたばかりで、シャングリラの中の桃源郷と呼ばれています。
プダーツォ国家公園は2000平方キロ近くあり、世界遺産の「三江併流」地域の中心に位置しています。ちなみに、"三江併流"というのは、長江、メコン川、サルウィン川の三つの大河の源流が山々の間を平行して流れていることを指しています。
プダーツォ国家公園には、玉のように清らかな高原の湖、青々と茂る森林、果てしない草原、そして様々な動植物が生きています。中でも、属都湖と碧塔海はお勧めのポイントです。
白い雲が青空に漂い、色鮮やかな山林、周りの景色を全て収めて溶け込んでいる湖……、目の前に現れる属都湖の風景は、まるで天国?と思うほど美しい景色です。湖の回りの木道を歩きながら、大自然の魅力をたっぷり味わうことができます。湖の隣には一面の草原が広がっています。ここは、チベット地区のなかでも有名な牧場になっています。
属都湖を回ったあとは、公園の中のレストランに行ってちょっと休みましょう。ここは、公園の中の唯一のレストランです。山の麓に立てられた木造のレストランで、その前には高原の雪解け水が流れ込む川があります。ここもすばらしい眺めです。このレストランの名物は、ヤクの肉料理です。ここはチベット族が集まって住んでいるところですから。それから、野生のキノコもおいしいです。マツタケなど珍しいキノコも食べられます。ここでは、環境を保全するために、レストランのすべてのゴミや廃棄物は密封された後、外の処理場に運ばれます。
次は、碧塔海という湖です。船に乗って湖の景色を満喫することができます。水の透明度が高いので、十数メートル下の魚の群れも見られます。湖の回りにはツツジがいっぱいあります。春になると鮮やかな花が一面に咲いて非常に美しいです。また、その季節には珍しい光景も見られます。
ツツジの花びらにはわずかな毒素が含まれているため、水面に落ちた花びらを食べた魚は中毒を起こします。2時間ぐらい意識不明になって水面に漂う様子は、まるで酒を飲んで酔っているようです。これは、碧塔海の有名な光景、"ツツジで酔った魚"です。そして、運がよければこうした酔った魚を食べに来る熊も見られます。意識不明になった魚は冬眠から目覚めたばかりの熊の餌になるそうです。
碧塔海の真ん中には小さい島があります。これは、チベットの英雄のゴルサが魔物を退治したところだそうです。島には、仏堂があります。この美しい島は公園の中でも特別に保護されているところです。島の草や木はもちろん、腐った木の根でさえもそのままの状態で残さなければならないとされています。興味のある方は、ぜひ足を運んでみてください。
また、今週の旅インフォメーションでは二つの旅情報を紹介しました。
まず、浙江省紹興市からの情報です。
中国黄酒(紹興酒)博物館が10月29日、浙江省紹興市にオープンしました。この博物館は、黄酒の歴史と文化、酒造業、酒蔵などのコーナーからなり、長い歴史を誇る「黄酒」文化が展示されています。
次の情報は敦煌の莫高窟に関する情報です。
シルクロード、敦煌の莫高窟は、今月1日から、中国北周時代から唐時代までの2つの代表的な石窟を新たに開放しました。また、普段、別料金で見学する第9号、290号、296号の洞窟は今月1日から来年の4月30日まで無料開放になりました。
莫高窟研究員の責任者の紹介によりますと、11月から敦煌観光はオフ・シーズンになります。この時期に、多くの観光客に来てもらうために、新たに石窟を開放したり、無料開放を行ったりしたということです。
また、今月1日から、チケットの料金も普段の半額になり、80元、日本円にすると1200円となっています。
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