当面の時代において、文化はますます民族の結束力と創造力の重要な源となっており、総合国力の競争の重要な要素ともなっているので、精神・文化生活を豊かにすることはますますわが国民の熱望するところとなっている。社会主義の先進的文化の前進する方向を堅持し、社会主義文化建設の新しい高まりを盛り上げ、全民族の文化を創出する活力を呼び起こし、文化の面における国のソフトパワーを高めることによって、国民の基本的な文化的権益がよりよく保障され、社会の文化生活がより豊富多彩なものになり、国民の精神的様相がより高揚し、向上を求めるようにすべきである。
(一)社会主義の中核的価値体系を確立し、社会主義イデオロギーの吸引力と結束力を強める。社会主義の中核的価値体系は社会主義イデオロギーを本質的に具現したものである。マルクス主義の指導的地位を打ち固め、マルクス主義の中国化したざん新な成果をもって全党を武装し、国民を教育することをたゆむことなく堅持し、中国の特色のある社会主義の共通の理想をもって力を結集し、愛国主義を核心とする民族精神および改革・革新を中核とする時代精神をもって闘志を励起し、社会主義の栄辱観をもって気風を導き、全党、全国各民族人民が団結奮闘してきた共通の思想的基盤を打ち固める必要がある。理論の創造革新を大いに推し進め、現代中国のマルクス主義に鮮明な実践の特色、民族の特色、時代の特色が絶えずもたせるようにする。中国の特色のある社会主義理論体系の宣伝・普及活動を展開し、現代中国のマルクス主義の大衆化を促す。マルクス主義理論の研究・建設プロジェクトを推し進め、重要な理論問題と実際問題についてそれを突っ込んで解明し、数多くのマルクス主義理論家とくに中・青年理論家を育て上げる。社会主義の中核的価値体系を確実に国民教育と精神文明の建設の全プロセスに融け込ませ、人民が意識的に追求するものと転化させる。社会主義の中核的価値体系をもって社会思潮を導く効果的な方途を積極的に模索し、イデオロギー面の活動を能動的におこない、差異を尊重し、多様性を受容する一方、いろいろの誤った思想や腐り果てた思想の影響を力強く食い止める。哲学・社会科学の繁栄と発展をはかり、学科体系、学術観点、科学研究方法の革新を推し進め、哲学・社会科学界が党と人民の事業のためにシンクタンクとしての役割を果たすよう奨励し、わが国の哲学・社会科学の優れた成果や人材が世界で頭角を現すことができるよう推し進める。
(二)調和のとれた文化を醸成し、文明の気風をはぐくむ。調和のとれた文化は国民全体が団結進歩をめざす重要な精神的支柱となるものである。報道・出版、ラジオ・映画・テレビ、文学芸術事業を積極的に発展させ、正しい方向付けを堅持し、社会の正しい気風を発揚させる。都市部と農村、地域間の文化の調和のとれた発展を重視し、農民、人里離れた地域の住民、都市部に入った出稼ぎ労働者などの精神・文化生活を豊かにすることに力を入れる。インターネット文化の建設と管理を強化し、良好なネット環境を作り出す。愛国主義、集団主義、社会主義思想を大いに発揚し、信義誠実意識の増強を重点とし、社会の公衆道徳、職業モラル、家庭の美徳、個人の品行の育成を強化し、モラルの模範としての役割を発揮させ、人々が意識的に法律で定められた義務、社会と家庭の責任を履行するよう導く。思想政治面での仕事を強化し、それをさらに改善し、人道的配慮と心理的ケアを重んじ、正しいやり方をもって人間関係に対応する。社会の各方面に働きかけてともに青少年の思想モラル教育を上手におこない、青少年の健全な成長のために望ましい社会環境を作り出すようにする。大衆的精神文明の創出の活動を繰り広げることに力を入れ、社会ボランティア・サービスシステムを整備し、男女が平等で、高齢者を尊敬し、子供をかわいがり、相互に気づかい、相互に助け合い、正義のため大胆に行動するといった社会気風を唱導する。科学精神を発揚し、科学知識を普及する。全国民の健康維持・増強キャンペーンを広く展開する。二〇〇八年のオリンピック、パラリンピックと二〇一〇年の万国博覧会を立派に開催するよう努める。
(三)中華文化を発揚し、中華民族の共通の心の故郷を建設する。中華文化は中華民族が生気はつらつとしてふみとどまることなく、団結奮闘するための尽きることのない原動力である。祖国の伝統的文化については、それを全面的に認識し、その中の粋をとり入れ、粕(かす)を取り除き、現代社会に適応し、現代の文明と協調し合い、民族性を保ち、時代性を具現させるようにすべきである。中華民族の優れた文化伝統の教育を強化し、現代の科学技術手段で民族文化の豊かな資源を開発し利用する。各民族の文化に対する発掘と保護を強め、文物と非物質的文化財の保護を重視し、文化典籍の整理作業を上手におこなう。対外文化交流を強化し、各国の優れた文明成果を吸収し、中華文化の国際的影響力を増強する。
(四)文化の創造刷新を推し進め、文化の発展のために活力を注ぎ込む。時代の高い起点から文化の内容・形態や、体制・メカニズム、伝播手段などの刷新を推し進め、文化生産力を解放し、それを発展させることは、文化を繁栄させるために通らなければならない道である。人民に奉仕し、社会主義に奉仕する方向と、百花斉放、百家争鳴といった方針を堅持しなければならなず、実際に近づき、生活に融け込み、大衆と親しみをもって解け合い、終始、社会的パフォーマンスを第一位において、経済的効率を社会的パフォーマンスと統一させる。創作においては、人民の主体的地位や実生活を反映し、大衆に好まれる優れた精神文化製品をより多くつくり出さなければならない。文化体制の改革を深化させ、公益性文化事業を扶助し、文化産業を発展させ、文化の創造・刷新を奨励する政策を充実させる。これによって、良質な文化製品を創出し、人材を養成し、効果を上げることに役立つ環境を創出する。公益性文化事業の発展が人民の基本的文化権益を確保する主な方途となることを堅持し、扶助の度合いを大きくし、コミュニティーや郷・村の文化施設の整備を強化する。文化産業の発展に大きな力を入れ、重要文化産業プロジェクトによる牽引戦略を実施し、文化産業基地と地域の特色のある文化産業群の建設を急ぎ、文化産業の中堅企業と戦略的投資者を育成し、文化市場を繁栄させ、国際的競争力を強める。ハイテクをもって文化製品の生産方式を刷新し、新しい文化業態を創出し、伝送も速く、カバー範囲も広い文化伝播システムの構築を急ぐ。国家栄誉制度を打ち立て、素晴しい貢献をした文化活動家を表彰する。
中華民族が偉大な復興をなしとげることは必ずや中華文化の繁栄・隆盛と切り離すことはできない。文化の建設における国民の主体としての役割を充分に発揮させ、広範な文化活動家の意欲を引き出し、文化の大発展・大繁栄をより自覚的かつ、より能動的におしすすめ、中国の特色のある社会主義の偉大な実践の過程で文化創造をおこない、国民の誰もが文化発展の成果を享受できるようにする。
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