人民民主は社会主義の生命である。社会主義の民主政治を発展させることは、わが党の終始変わることのない奮闘目標である。改革開放いらい、われわれは政治体制の改革を積極的かつ着実に推し進め、わが国の社会主義民主政治はこれまで以上に旺盛な生命力を示している。政治体制の改革は、わが国の全面的な改革の重要な一環として、経済・社会の発展に伴って絶えず深化し、人民の政治参加意欲の絶えざる向上に呼応するものでなければならない。中国の特色のある社会主義政治の発展の道を堅持し、党の指導と、人民の主人公としての地位と法による治国との有機的な統一を堅持し、人民代表大会制度、中国共産党の指導する多党合作と政治協商制度、民族区域自治制度および末端の大衆自治制度を堅持し、充実させ、社会主義政治制度の自己改善と発展をたえず推し進める。
政治体制の改革を深化させるには、正しい政治方向を堅持し、人民の主人公としての地位の確保を根本とし、党と国家の活力の増強や人民の積極性の喚起を目標とし、社会主義の民主を拡大し、社会主義の法治国家を建設し、社会主義の政治文明を発展させなければならない。党が全局を統括し、各方面に対して協調を行うという指導上の中核的な役割を堅持し、党の科学的執政、民主的執政、法による執政のレベルを高め、党が人民を指導して国を効果的に治めることができるよう確保する。国のあらゆる権力が人民に属することを堅持し、各レベル、各分野において公民の秩序整然とした政治参加を拡大させ、人民にもっとも広い範囲で働きかけ、法による国の事務や社会の事務の管理および経済、文化事業の管理を行わせる。法によって国を治める基本的な方略を堅持し、社会主義の法治理念を確立し、国の諸活動の法治化をはかり、公民の合法的な権益を確保する。社会主義政治制度の特色と優位性を堅持し、社会主義民主政治の制度化、規範化、プロセス化を推進し、党と国家の長期的安定を政治と法律制度の面から保障する。
(一)人民民主を拡大し、人民の主人公としての地位を確保する。人民が主人公となることは社会主義の民主政治の本質であり、中核でもある。民主制度の健全化をはかり、民主の形態を充実させ、民主のルートを広げ、法にもとづいて民主的選挙、民主的政策決定、民主的管理、民主的監督を実行することによって、人民の知る権利、参画権、意思表示権、監督権を保障すべきである。人民代表大会が法にもとづいて機能を果たすことをサポートし、党の主張が法で定められた手続きを通して国の意思となるようにする。人民代表が法によって職権を行使することを保障し、人民代表と民衆とのつながりを緊密にし、都市部でも農村でも逐次同じ人口比例で人民代表を選出することを提言する。人民代表大会常務委員会制度の充実化を強め、常務委員会構成員の学歴と年齢構造の最適化をはかる。人民政治協商委員会が団結と民主という二つの大きなメーンテーマをめぐって機能を果たすことをサポートし、その政治協商、民主的監督、国政への参加と国政審議制度の充実化を推し進め、政治協商を政策決定の手続きに組み入れ、民主的監督メカニズムを健全なものにし、国政への参加と国政審議の実効を高める。政治協商委員会そのものの建設を強め、その諸関係の協調、力の結集、提言や献策、大局のために力を尽くすといった重要な役割を発揮させる。各民族が一律に平等であることを堅持し、民族自治地方が法によって自治権を行使することを保障する。政策決定の科学化、民主化を推し進め、政策決定のための情報と知的支援のシステムを健全化し、政策決定の透明度と公衆参与の度合いを強め、大衆の利益と緊密につながる法律・法規と公共政策を制定する場合、原則としてオープンに意見を聴取する。公民意識の教育を強化し、社会主義の民主・法治、自由・平等、公平・正義の理念を確立させる。労働組合、共産主義青年団、婦女連合会など人民団体が法律とそれぞれの規約によって活動を展開し、社会管理と公共サービスに参画することをサポートし、民衆の合法的な権益を擁護する。
(二)末端の民主を発展させ、人民がより多く、より確実な民主的権利を保有することを保障する。人民が法にもとづいて直接民主的権利を行使し、末端の公共事務と公益事業を管理し、自らに対する管理、サービス、教育、監督を実施し、幹部に対し民主的監督を実行するということは、人民の主人公としての地位を確保するための最も効果的な、最も広い方途であるので、社会主義の民主政治を発展させる基礎的プロジェクトとして重点的に推し進めてゆかなければならない。末端党組織の指導する、活力に満ちた末端大衆自治メカニズムの健全化をはかり、末端の大衆の自治の範囲を拡大し、民主的管理制度を充実させることによって、都市農村のコミュニティーを秩序整然と管理し、行き届いたサービスを提供し、文明的かつ和やかな雰囲気に包まれた社会生活共同体に築き上げるべきである。誠心誠意労働者階級に頼り、職員・労働者代表大会が基本形式である企業・事業体の民主的管理制度を充実化し、企業事務の公示をおしすすめ、職員・労働者が管理に参与することをサポートし、職員・労働者の合法的権益を擁護する。郷・鎮機構の改革を深め、末端政権の整備を強化し、政務の公開、村の事務の公開などの制度を充実させ、政府による行政管理と末端の大衆による自治との効果的なかみ合わせと良好な相互促進をはかる。大衆の参与を拡大し、大衆の苦情・要求を反映する面で社会組織の積極的な役割を発揮させ、社会の自治機能を増強する。
(三)法によって国を治める基本方略を全面的に貫き、社会主義の法治国家を建設するテンポを速める。法にもとづいて国を治めることは社会主義の民主政治の基本的要請である。科学的立法、民主的立法を堅持し、中国の特色のある社会主義の法体系を充実化する。憲法と法律の執行を強化し、公民が法律を前に一律に平等であることを堅持し、社会における公平と正義を擁護し、社会主義法制の統一、尊厳、権威を擁護する。法に基づく行政を推し進める。司法体制の改革を深化させ、司法の職権配置の最適化、司法行為の規範化をはかり、公正な、高効率の、権威のある社会主義の司法制度を整備し、裁判機関、検察機関が法によって独立的かつ公正に裁判権、検察権を行使するよう保障する。公安・検察陣の建設を強化し、法律の執行が厳格に公正的かつ文明的に行われるようにする。法制の広報・教育を突っ込んで展開し、法治精神を発揚し、自ら進んで法を学び、意識的に法によって自らの行為を律し、自覚を持って法規を運用するといった社会的雰囲気を醸成するようにする。人権を尊重して保障し、法にのっとって社会の人々全体が平等に参与し、平等に発達する権利を保障する。各クラスの党組織と党員全体は自覚を持って憲法と法律の範囲内において活動をおこない、率先して憲法と法の権威を擁護すべきである。
(四)愛国統一戦線を大きく育て上げ、結集しうる勢力をすべて結集する。政党の関係、民族の関係、宗教の関係、階層の関係および国内同胞と海外同胞間の関係の調和を促進することは、団結の増進、力の結集にとって代替することのできない役割を果たすことになろう。長期にわたって共存し、相互に監督し合い、肝胆相照らし、栄辱を共にするという方針を貫徹し、民主諸党派との合作を強め、民主諸党派と無党派の人々が国政への参加と国政審議や、民主的監督の機能をよりよく果たすことをサポートし、より多くの優れた党外の幹部を選抜、推薦して指導的ポストにつかせる。各民族がともに団結奮闘し、ともに繁栄し、発展していくというメーンテーマをしっかりと捉え、少数民族の合法的な権益を保障し、平等、団結、相互協力、調和のとれた社会主義の民族関係を強固なものにするとともに、それを発展させる。党の宗教活動に関する基本方針を全面的に実施し、宗教界における有識者と信者に経済・社会の発展を促す上での積極的な役割を発揮させる。新しい社会階層の人々が意欲的に中国の特色のある社会主義の建設に身を投じるよう奨励する。党の華僑政策を真剣に貫徹し、海外の華僑同胞、帰国華僑および国内にいるその家族が祖国の現代化建設と平和的統一の大業に関心を寄せ、参与することをサポートする。
(五)行政管理体制の改革を加速させ、サービスを旨とする政府を築きあげる。行政管理体制を改革することは改革を深化させるうえでの重要な一環である。行政管理体制改革に関する全般的方策の制定を急ぎ、機能の転換、諸関係の整理、構造の最適化、効率の向上に重点を置き、権限と責任が一致し、分担も合理的であり、政策決定が科学的に行われ、それをスムーズに執行し、有力に監督するというような行政管理体制が形成されるようにする。政府職責体系の健全化をはかり、公共サービスシステムを整備し、電子政務を推し進め、社会管理と公共サービスを強化する。政府と企業との分離、政府と国有資産との分離、政府と事業体との分離、政府と市場仲介機構との分離を速め、行政行為を規範化する。行政法律執行部門の建設を強化し、行政審査・許認可手続きを減らし、その規範化をはかり、ミクロ経済の運営に対する政府の介入を減らす。垂直管掌部門と地方政府との関係を規範化する。機構統合の度合いを大きくし、諸職能を有機的に統一させる大部門体制の実行を模索し、部門間の協調・協力メカニズムを健全なものにする。様々な議事協調機構およびその事務機構の簡素化と規範化をはかり、行政的手続きを減らし、行政コストを引き下げ、機構の重複や、職責の交差により、政策が多くの部門から出されるという問題の解決に力を入れる。党委員会や、政府機関、人民代表大会、政治協商会議の機構を統一的に配置し、指導者のポストの数を減らし、定数を厳しく規制する。事業体の類別の改革の推進を急ぐ。
(六)制約メカニズムと監督メカニズムの充実化をはかり、人民に与えられた権力が終始人民の利益のために用いられるよう保証する。権力の正しい行使を確保するには、権力がオープンに行使されるようにしなければならない。制度によって権力を行使し、事務を処理し、人を管理することを堅持し、政策の決定権、執行権、監督権が相互に制約されながら相互に協調されるといった権力の構造と運行メカニズムを確立し、充実させる。組織法制と手続きのルールを充実化し、政府機関が法律で定められた権限と手続きにのっとって権力を行使し、職責を果たすことを確保する。各種類の事務処理公開制度を健全なものにし、政府活動の透明度を高くし、公衆の政府への信頼を高める。指導幹部、とりわけ主要指導幹部や、人材・資金・物資の管理と運用、重要ポストなどに対する監督を重点的に強化し、答申、問責、経済責任監査、引責辞職、罷免などの制度を充実させる。党内における監督条例を実施に移し、民主的監督を強化し、世論による監督の役割を果たさせ、監督の合力と実効を増強させる。
社会主義が発展すればするほど、民主も発展するものである。中国の特色のある社会主義を発展させる歴史の過程で、中国共産党の党員と中国人民は必ずや強大な生命力を持つ社会主義の民主政治を絶えず発展させていくに違いない。
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