静かで、穏やかな鳥取での訪問が最後になる27日に鳥取大学の乾燥地研究センターを見学しました。日本海の沿岸に建てられ、80年前から乾燥地の砂漠化防止、および開発利用に関する基礎研究がここで続いています。そして、その研究成果はいまでは外国の乾燥地で応用されています。今、センターは中国の内蒙古や河北省などとも連携し、砂漠化の防止や人材の育成に力を入れています。案内役の張先生は、華北大学で博士号を取った後、ここで研究を進めてきました、日本で中国語の説明を聞くこともあって、張さんの頑張りぶりに、私たちは拍手を送りました。
ドーム型のガラス温室に入ってみました。ここでは、床に砂が敷かれ、乾燥地の環境が再現されています。サボテンのほか、高さ10メートルぐらいの乾燥地に生えるナツメの木、そして針のような棘のある木が栽培されています。ここでは、これら植物の成長に必要な条件に関するデータを集めているということです。
ミニ砂漠博物館では、世界各地から集めた数十種類の砂漠の標本が並んでいます。砂の色は、レンガ色、褐色、ねずみ色など数多くあることが分かりました。私たちは、器に入れられた鳴砂や鳴らない砂をプラスチックの棒で擦って音が出るかどうかを確かめたり中国の新疆地方の独特の井戸やイランの灌漑用の壷などについて、次から次へと質問していました。
時間の都合で一応は見学しましたが、鳥取砂丘に向かうバスの中で、私たちは感想を述べ合っていると、高校2年生の原ウ灼さんが「日本は砂漠といえば鳥取砂丘しかないのに、こんなに砂漠化の防止に力を入れているんだ。そして、世界を助けている。また国際援助では、平和維持部隊を派遣したり、インド洋大津波の被災地を支援したりしている。もちろん中国も頑張っているが、これから豊かになれば、日本のように、遅れた国の何かに役立つための科学研究も進めるべきだなと思った」としみじみ話しました。
午後13時22分、京都への電車に乗り、高校生との交流、伝統工芸品の製作、鳥取砂丘のぼりなど、いろいろな思い出となる鳥取を後にしました。
28日は、京都見学でした。午前中は金閣寺や二条城、午後は京都エコロジーセンターと清水寺を見ました。
世界文化遺産に登録された金閣寺、清水寺、そして二条城を見学した後、バスで食事を取っているときに、他の人の感想を聞きました。
「庭には緑がいっぱいあることとゴミがないことが、まず印象的だった」
「海洋性気候であることもあるが、日本の人々が、ここの一本一本の草や花を大事している気持ちを伺えた。木の枝を折ったり、草地に入ったりする人が、一人も見なかった」
「どこから行けばいいかと迷って周りを見ると、必ず『順路』という大きな字の標識が見えた。こうしてなんとか時間までに集合する場所に戻れて、とても助かった。『順路』という標識はありがたい。中国の観光地にも、こういった見てすぐ分かる道標を置いたらな」
「『土足禁止』の標識もすぐ見えるようなところにあり、恥をかくことなくて済んだ。注意する標識を、分かりやすいところに置くことはとてもいいと思った」
「靴を脱がなければならないところには、7段ぐらいある靴棚が並んでいた。そして見学しやすいようにすること、団体の入り口や個人の入り口をはっきり区別させ、観光客が焦らずにリラックスして見られるようにすることは、観光地の秩序を浴することにつながった。こういった細かいところに力を入れることが、とても大事だと実感した」
「日本で秩序やマナーが守られていることの裏には、行き届いた管理があることに気づいた。秩序がマナーを守ることには、市民一人一人の努力が欠かせないが、政府の合理的な管理システムも必要だと思った」
みんなは以上のように話していました。
京都エコロジーセンターでは、地球温暖化に関する説明を受け、家庭でのエネルギー消耗の実例やエコライフのパノラマなどを見ました。高校2年生の尤一達さんは、いままでは家や学校では電気を点けっぱなしにしたり、水道の栓を締めなかったりしたことを反省していました。そして、「帰国してから、実際行動で、節電と節水に気をつけます。それから、買い物するときは、ビニール袋でもいいし、何かを用意しておき、一枚でも少なく使うようにします。また、親、親戚と友人にも節電と節水に注意するよう言います」といい、また、公共施設についてもみんなはいろいと話してくれました。「金閣寺の入場券がだった100円とはびっくりしました。日本の生活レベルから見て、スーパーで売っているドリンクより安いのです。この値段なら誰でも入場でき、特に、子供の教育から考えると、家族ぐるみでこられますね。また、鳥取の乾燥地研究センターにしても、京都エコロジーセンターにして、一般公開されていて、無料で見学することができます。子供たちがサンプにを触ったり、タッチパネルを利用したり、またいろいろと検討している姿がよく見られました。そして、お孫さんを連れた人もいれば、赤ちゃんが乗ったベビーカーを押して見学している若い夫婦もいた。このように、より多くの市民が利用できる公共施設を、中国でもぜひ作ってほしいものです」
どうです?感想は多いでしょう?。
京都での訪問は29日までで、30日は大阪に移動し、31日朝10時に帰国するという日程になっています。日本での時間は残り少なくなり、時間が経つのは速いですね。
(文 朱丹陽)
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