日本を訪問して4日目になる26日、中国の高校生たちは、午後から鳥取県立東高校を訪れました。ここで、在校生と一緒に授業を受けたり、部活に参加したりして、2時間ぐらいの交流活動を行いました。
皆はグループに分かれて、授業や部活に参加しましたが、授業には、家庭科、生物、書道、英会話、スポーツなどがあり、部活には、柔道、剣道、書道、卓球、弓などがありました。私は、「言葉が通じない中国と日本の高校生同士がどうやって一つの仕事を完成させるだろうか」と、好奇心を持って、クッキーを作る家庭科のレッスンに参加させてもらいました。
一列の机を挟んで両側にオーブントースターが並ぶ家庭科教室で、4人の東高校生に1人の中国の高校生というグループ分けになっていました。日本の高校生は「ニーハオ」、中国の高校生は「今日は」と挨拶を交わしたあと、作業を始めました。クッキーを作ることが東高校生にとっても初めてのためか、最初は、皆何をしていいか分からずにうろうろしていて、黙って一緒にバターを攪拌したり、卵を入れたり、小麦粉をこねたりするなどしていました。
いつのまにか、「はい、違います、これ、あれ、そうそう」といったごく簡単な単語を交わすようになり、半分ぐらい進んでいくと、「すごいですね、洗剤はこれですか」などと、片言を交し合うようになりました。クッキーをオーブントースターに入れて焼く頃には、自分の名前とか、趣味などについて、話しあうようになりました。
中国の高校生が日本語の発音や文法を間違えると、私には通じなかったのに、日本の高校生たちには、却って正しく理解できたことを、不思議に思いました。今回は、話し合いが少なく、黙々と容器を洗ったり、お皿を並べたりすることが多かったのですが、紅茶を入れ、自分たちで焼いたクッキーを食べる頃には、私には、若者たちの交流についての心配は無くなりました。
ホテルに戻る電車の中では、「楽しかった、もっと時間がほしかったのに」という声が何回も聞こえました。(文 朱丹陽)
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