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日本の大歌舞伎公演、北京で大ヒット
   2007-10-02 21:14:03    cri

 今月4日と5日、北京市内の保利劇場で松竹大歌舞伎近松座の北京公演が開催されました。中日国交正常化35周年を記念する、「人間国宝」の坂田藤十郎さん率いる近松座総勢70人のスタッフによる特別公演でした。

 今回の公演は、夫婦の愛情を描いた「傾城反魂香(けいじょうはんごんこう)」と、日本舞踊の「英執着獅子(はなぶさしゅうちゃくじし)」の2本立てでした。

 舞台の上の辺りに大きな電光掲示板が設置されていて、中国語訳字幕を見ながら舞台を楽しめるようになっていました。せりふだけでなく、役者のしぐさの意味や、歌舞伎の豆知識なども随時紹介され、すごく分かりやすかったです。近松座はこれまで、アメリカやヨーロッパなどでも海外公演を行なっています。関係者の方は、こうした工夫を行なうことで、多くの人に歌舞伎の魅力を伝えたいと語っていました。

 公演終了後、観客のみなさんにお話を伺いました。

「傾城反魂香」の舞台

熱演する藤十郎さん(右)

 「素晴らしいパフォーマンスでした。大学で日本語を専攻していたこともありますが、中国語字幕もあり、問題なく楽しめました。今回の歌舞伎公演は、私たち中国人が日本の文化に触れることのできるいい機会だったと思います」(田さん 30代女性)

 「素敵でした。初めて歌舞伎を見ましたが、両国の文化や歴史が密接に関係していることを感じました。藤十郎さんの演技は見事でしたね!完全に役になりきっていて、表情も実に豊かでした。実は一番前で見ていたんですが、演じながら泣いていらっしゃるのが分かりました。その演技に感動しました」(厳さん 30代男性)

熱演する藤十郎さん(右)2

相手役を務めた中村翫雀さん

 実は今回の歌舞伎公演は、中日国交正常化35周年、中日文化スポーツ交流年の記念イベントとして開催されたものです。伝統文化を紹介することで両国の相互理解を深めるという目的もありました。これについて、主催側のひとり、中国人民対外友好協会の井頓泉副会長にお話を伺いました。

 「今年は、国交正常化35周年です。日本文化を代表する歌舞伎を中国の国民に見せたいと思い、今回の歌舞伎公演を企画しました。ここ数年、両国の国民の間では友好的な感情が冷めている気がします。これは、非常に憂慮するところです。だからこそ、こうした文化交流を通じて、国民同士がふれあうチャンスを増やすことが大事だと思います」(井頓泉副会長)

 「英執着獅子」の舞台

艶やかな日本舞踊を披露

 また、今回は藤十郎さんにもお話をうかがうことができました。藤十郎さんは、「中国の観客のみなさんに歌舞伎をよく理解していただき、感動しています。近松作品は、人間の心や情愛を深く描いています。世界のどこの国でも、人間の情愛は一緒です。言葉が分からなくても、近松作品は分かっていただけると思います」と語ってくださいました。

 藤十郎さんにお話を聞いて、まず印象的だったのは、藤十郎さんの言葉遣いでした。非常に丁寧な言葉を使われる方だなと思いました。

 また、まっすぐ相手の目を見ながら、集中して丁寧に答えてくださるところに、歌舞伎に対する強い思いを感じました。

会場前におかれた大きな立て看板

開演を待つ観客

 今回の近松座中国公演ですが、北京(4・5日)のあと、杭州(9日)、上海(13~15日)、広州(21・22日)と4都市の巡回公演となります。

 今回に限らず、最近は世界各国の芸術に触れる機会が増えています。芸術鑑賞イコール国際交流というわけではないですが、たとえば衣装の色使いなどを見るだけでも、その国のことを理解するきっかけになります。今回の公演も、中国人が日本のことを知るきっかけになったのではないかと思います。

 今後も、日本のすぐれた芸術が中国で紹介されたり、逆に、中国の芸術が日本で紹介されたり、往来がますます盛んになるよう期待します。(文・写真:任春生)

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