ニーハオ マ 元気ですか? 僕は元気です
どうしても薄れてゆく 忘れたくない思い出がある…
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この夏、北京外国語大学の大講堂で行われた中日3大学の合同文化祭の開幕式に、ギター一本とハーモニカ一つで登場し、熱唱した日本人の若者がいました。現在、横須賀在住のシンガーソングライター・岡田輪学さんです。
その、シンプルだが軽快で、乗りやすいテンポとリズム。そして、時々、中国語での挨拶を交えたオリジナルソングに、客席から大きな歓声と拍手が沸き起こりました。
4年前、岡田さんは、月刊誌『人民中国』の読者である高橋亜彌子さんという女性に連れられて、北京で行われた『人民中国』創刊50周年記念の祝賀パーティーに、母親と二人で参加しました。今回岡田さんが歌ったのは、その初めての訪中時、下町・前門付近の茶店である少女と出会った思い出を歌った「茉莉花茶(ジャスミンティー)」という曲でした。
「小さい頃から『三国志』や『少林寺』が好きだった。初めての中国は、良い意味でイメージと違うところがあり、中国が一層リアルな国になった。実際に来てみると、やはり『この国が好きだな』と思った」(岡田さん)
初めての北京では、王衆一『人民中国』編集長の同行で、王府井や万里の長城でのストリートライブを敢行。忘れられない思い出になりました。
「ギターを弾きはじめたら、すぐに100人ぐらいの人だかりができて、ドーナツの中で歌った。皆に拍手していただいて、楽しかった!」(岡田さん)
当時、茶店で出会った可憐な中国人少女との思い出に基づいて、一気に書いた「茉莉花茶」という歌は、ファンに好かれて、携帯電話の着信メロディーまで作られました。それから4年が経ちましたが、「もう一度中国に行きたい」という気持ちは変わることがありませんでした。
「ジャスミンティーをくれた少女とに会いに行きたいというのもあるし、この歌を中国の人たちにも聞いていただき、どう感じてくれるのか、それを知りたかった」(岡田さん)
ついに、今年、そのチャンスがやってきました。北京で行われた中日3大学の共同文化祭で、中日音楽交流会が開催されました。その文化祭の顧問を務めることになった『人民中国』の王衆一編集長が、岡田さんを出演者として推薦したのです。
「単に、岡田さんに自作の歌を中国で歌ってもらうきっかけを作っただけに見えるが、こうした草の根の文化交流や、人と人との出会いによって生まれた感動を、中日両国に伝えること自体に大きな意味があると思う」(王編集長)
さて、岡田さんにとって、「単身海外」でライブするのは、今回が初めてです。
「これまで、12年間、様々なところでワンマンライブをこなしてきたが、一人で海外のステージに立つのは、今回が初めて。そういう意味では、新人になった感じで、これまでに味わわなかった緊張があった。しかし、皆に助けられて、楽しかったという一言につきる」(岡田さん)
なお、中日国交正常化35周年の節目の年に、中国を訪問し、中国人と触れ合うことを実現したことについて、岡田さんは特別な意義を感じたのでしょうか。
「僕自身は、中国と日本の関係というものにそれほど詳しくなく、平和ボケした頭で、日本人感覚で考えていたが、やはり、国と国との間で、しっかり解決しなければならない問題について、日本人がもっと勉強する必要があると思う。仲良くできると思うし。メディアとかを鵜呑みにしないで、実際に来て、皆、触れ合えば、絶対好きになる、ということを逆に日本の皆に教えたいと思う。これからも、しょっちゅう来るかもしれない。ぜひまた来たい」(岡田さん)
岡田さんは爽やかな笑顔で、そう打ち明けてくれました。(取材、整理:王小燕)
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