国際ボタン園(洛陽市)
「花開花落二十日 一城之人皆若狂」(花開き花落つること二十日、一城の人皆狂へるが若し )、唐の詩人、白居易が洛陽のボタン(牡丹)の花を見て詠った詩です。今回の河南省取材の日程の中にボタン祭りの取材が入っていたので、大変楽しみにしていました。
鄭州市で開かれている第2回中部投資貿易博覧会取材の合間を縫って、27日に洛陽の「国際ボタン園」を訪れました。白の大輪を咲かせている「連鶴」という名のボタンは、今が満開でした。日本にも持ち込まれて普及している花で、ボタン好きな方ならばご存知かと思います。花はやや小振りですが、鮮やかな黄色の「海黄」も満開でした。
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「連鶴」 |
「海黄」 |
河南省に来る前にネットで調べて見ると、洛陽には700種類余り2300万本のボタンが咲き誇っていると出ていましたが、その中にボタンの王様と呼ばれる「姚黄」と、ボタンの女王と呼ばれる「魏紫」という種類があることを知り、一度見てみたいとガイドの人にお願いすると、ありました!赤と白の花が一輪づつ写っているのがボタンの女王「魏紫」で、白い花が数輪写っているのがボタンの王様「姚黄」です。花の盛りは過ぎてしまったようで、特に王様の方は大分枯れ始めていたのが、ちょっと残念です。
ボタンの女王「魏紫」
私達が洛陽を訪れる10日前に、台湾国民党の名誉主席連戦氏が奥さんと一緒に洛陽を初めて訪れており、連方瑀夫人がボタンの王様や女王について詳しく知っていたことに案内のガイドさんが感心していたという記事が、ネットに掲載されていました。
ボタンの王様「姚黄」
国際ボタン園には、日本やアメリカ、イギリスなど外国の品種のものも植えられており、日本の品種の「花大臣」が咲いていました。日本の花大臣は早咲きのボタンだそうですが、品種改良を行ったという説明でした。そのため、4月下旬のこの時期にも咲いているのでしょう。
日本の「花大臣」の品種
我々が訪れた国際ボタン園、どうも全体的に見てボタンは花の盛りを過ぎている印象を受けたので、そのことをガイドさんに尋ねてみると、ボタンの開花時期は、この所の温暖化によって3月10日頃から下旬までの20日間ぐらいに早まっている。しかし洛陽市では人工的な品種改良などによって開花時期を出来るだけ遅くするよう様々な試みを行っており、遅咲きのボタンを増やすことによって、ボタン祭りの期間も4月1日から5月10日までの40日間という長い期間に設定したとのことでした。
またこの国際ボタン園は、中部投資貿易博覧会の参加者にボタンを見てもらうために3月から突貫工事で作って二日前にオープンしたばかりのもので、遅咲きのものを1ヶ所に集めたコーナーも設けたということが分かりました。道理で、公園の整備のされ方が余り十分とは言えない状況でした。中国らしい対応に驚くとともに、冒頭にご紹介した白居易の「花開花落二十日 一城之人皆若狂」という詩の中の「二十日」を、「四十日」に変えてしまおうとさえ考えているのではないかと感じた次第です。(文と写真:中村治)
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