[不思議な漢方医学]
木の皮や草の根などを煮たスープで病気を治したり、針で刺して病気を治したりするなんて、素人の目から見れば、漢方医学はなかなか不思議なものです。では、専門家として、李乾構さんは漢方医学をどう見ているのでしょうか。
「まずは効き目。漢方薬はとても効き目があります。風邪など一般の病気はもちろん、エイズやE型肝炎、ガンなどの難病に対しても、漢方薬は病気の悪化を抑制し、患者の苦痛を軽減することができます」
「次は価格。中国では、漢方薬の価格は西洋の薬より低いです。例えば風邪の場合、漢方薬を飲むと、5、6元(80円)ぐらいしかかからないのに対し、西洋の消炎剤などを使うと、10元以上もかかるでしょう。ですから、農村や貧困地区の住民にとって、漢方薬はとても実のあるものだと思います」
「そして、漢方薬は毒性や副作用が少ないです。漢方薬はもともと植物から作ったもので、農薬などの化学肥料を使わない限り、漢方薬の毒性はほとんどなく、安全性が高いです」
[国民の医療保障における役割]
今年、温家宝首相は政府活動報告の中で、「新型農村協力医療システム」 と「都市部の住宅団地の医療サービスシステム」を確立することを強調しました。これについて、李代表は、「漢方医学は数千年の歴史があり、一般庶民の信頼を得ています。国民の医療保障サービスシステムの確立には、漢方薬を十分に活用するべきです。」
李代表によりますと、今、農村の郷や鎮(日本の村に当たる行政区画)の医療施設のうち75%以上には漢方医科があります。都市部では、89%以上の住宅団地に漢方医がいます。漢方医学は医療保険や医療協力システムが整備される中でますます大きな役割を果たすことになるでしょう。(つづく)(文/取材:劉叡琳)
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