中国国際放送局紹介 日本語部紹介
Home
吉林の四季ー秋
   2007-01-24 13:45:18    cri

  

 吉林の秋は何故か"てんとう虫"で始まる。それこそ無数のてんとう虫が飛びかい始めると、秋なのである。暖かい日だまりとなる軒下などに、無数のてんとう虫が集まってくる。そのうちの数匹かは、二重になっているガラス窓の隙間をかいくぐり、運が好ければ、室内で翌春迄生き延びることになる。その頃うっかり窓を開け放そうものなら、部屋中がてんとう虫だらけになってしまう。吉林郊外の朱雀山は紅葉の名所でもある。ここにも天を覆うばかりのてんとう虫の大群が居た。そこに出かけた日は、日本の休日と重なったので忘れもしない10月10日であった。険しい頂上付近迄登ると、日本の10月と違って、既にかなりの寒さであったが、朱雀山の紅葉は秋天に映え、日本の秋の紅葉を思い出させる景色であった。眼下にははるかに松花湖、松花江が見えた。その後、松花湖に向かったが、既に観光地の店は殆ど閉じてしまい、観光シーズンはもうおしまいの様であった。当地の人にとっての観光シーズンは夏だけで、秋の紅葉を愛でる習慣は少ない様に思えた。

 松花湖から降りて来る時には、路の両側にある街路樹から、落ち葉がはらはらと秋の日の逆光を浴びて降り注いでいた。ここの黄金色もまた、とても綺麗であった。しかしここ吉林の寒さは樹木が優雅に衣を脱ぐ暇も与えないくらい厳しいのである。いきなり訪れる冬の寒さによって、落葉する暇も無く、枯れ葉が汚らしそうに枝に張り付いたままの木も多いのである。

  

 もっと寒くなると、葱を山の様に積だリヤカーを引いて、農家の人が都市の町角まで売りにくる。自由市場には葱を積んだリヤカーでいっぱいになる。又暫くすると、今度は白菜を山の様に積んだリヤカーが現れる。その様子は大通りの道端からはみ出して交通の邪魔になる位である。街の人達は、葱は戸外の軒下に吊るして保存し、白菜は大きな甕に漬け込むのである。いずれも一冬分の葱や、白菜を買うのであるから相当な量を買い込むことになる。以前は冬になると市場から新鮮な野菜は殆ど無くなり、人々はこれらの保存食を食べて生活したらしい。その頃はリヤカーの半分程の白菜を、一冬分として買い込んだものだとある人が教えてくれた。私が初めて吉林で冬を過ごした1993年頃は、葱もジャガイモも、キャベツも冬になると市場から無くなり買うのは困難であった。

 町角の靴の修理屋、自転車の修理屋、果物売りの小屋からは、暖房の為の煙突が突き出され、そこから石炭の煙が吐き出される様になり、小雪が舞う中で、寒そうに白菜を売る人がリヤカーを並べている町角の風景は、もう冬が始まった事を告げている。

旅行記
v 吉林の四季ー夏 2007-01-18 10:16:44
v 吉林の春 2007-01-10 15:24:44
v 火焔山とカレーズ 2006-12-25 10:41:13
v 高昌故城 2006-12-22 10:13:04
v 月牙泉 2006-12-12 10:03:44
  • 今日のトップニュース
  • 今日の国内ニュース
  • 今日の国際ニュース

  • • 基礎中国語
     皆さんは、ここで中国語と日本語に耳を傾け、フラッシュによる動画を楽しみながら、中国の風習や伝統文化を思う存分味わうことができます……

    • 「北京ワクワク」の購入について
     中国語講座「北京ワクワク」(上巻と下巻)のテキストは、日本の皆さんが初めて中国語会話を学習するための入門編です……
    |  link  |  E-メール  |