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「四川・パンダの故郷」クイズ(その二)
   2006-12-03 11:17:32    cri

  

「四川・パンダの故郷」クイズ(その二)

謎の三星堆

 三星堆は中国西南部四川省のほぼ真ん中、四川省の中心都市、成都の北にあります。成都から車で一時間で着きます。

 ここはもともと三星村という村で、75年前に、ある農家が土地を耕す時に、偶然遺跡を発見しました。その後、数十年間の発掘と研究が続けられた結果、この遺跡は5000年前から3000年前までの2000年間の文明を記録していることが判明したのです。この結果は蜀の国の文明史を2000年繰り上げることになりました。

 三星堆は謎に満ちた遺跡とも言われています。まず、その位置はミステリーを感じさせるものが多い、北緯30度のラインにあります。この緯度にはチョモランマ峰、マヤ文明、バミューダなどがありますが、それらに共通するのは謎が多いことです。

 考古学の研究によって、今から3000年くらい前に、ここの都は突然消えたことが分かっています。それはちょうど三星堆文明がピークを迎える時だったので、なぜ突然消えてしまったのか、その原因は明らかになっていません。

 5年前に成都市の郊外で新たに発見された金沙遺跡からの出土品は三星堆からの出土品と似ていますが、時代は500年から1000年ほど遅れているとされています。一部の学者はこれは文明が継続された証拠だとし、三星堆の都は金沙まで引っ越したという説を出しました。

 また、その出土品にも多くの謎があります。三星堆出土した青銅器は想像を絶するほどのものです。その青銅器の多くは仮面ですが、仮面の目が大きく、鼻が高く、アジア人の顔と大きく異なっています。そのうち、最も代表的なのは「青銅縦目仮面」で、世界最大の青銅器仮面です。仮面の目が円柱体となり、突出していて、目玉の先はやや菱形です。また耳も大きくて、尖っています。この顔は初代の蜀の国の王の顔だという説もあります。

   

 仮面と共に、三星堆の代表的な出土品は青銅樹です。この木の製造は難しく、青銅器の極めつけとも言えるものです。このような形の青銅器はほかにはありません。しかも、その鋳造技術も優れています。ここではこのような青銅樹が8本出土しましたが、これまで2本しか修復できませんでした。この2本の青銅樹を修復するだけで三年もかかりました。

 古代中国では青銅器が祭器として使われていました。青銅の木が祭器とされるのは、古代の中国人が木を宇宙の象徴としていたからです。太陽や月、星はその木の果実とされていたようです。ですから、この木には、古代の中国人の宇宙についての考えが示されていると言えます。50年間も三星堆文化を研究している敖天照氏は、三星堆時代の特徴は神権と王権が密接に結びついていることだとし、ここは昔、聖地だったのではないかとしています。そして、「三星堆から出土された青銅器の人物彫像や埴輪から見ると、三星堆王国は原始的な宗教、自然崇拝やトーテム崇拝、祖先崇拝などを利用して、人々の考え方やシステムを統治していたようだ。古代蜀の国ではよく盛大な祭祀を行って、周辺の異なる信仰を持つ集落の人を引き付けた可能性がある。」と話してます。

 青銅器は三星堆遺跡の中で最も代表的なもので、その時代の技術の高さを表していると言えます。また、出土品は、青銅器のほかに多くの象牙や貝殻もあります。四川の自然条件から見れば、象が生息するのは不可能で、海も遠いことから、貝殻も地元のものではなさそうです。一説では、象牙や貝殻は南のシルクロードから来たものだということです。とすると、当時、蜀の国は西アジアや南アジアと交易を行っていたということになります。

 開館して10年になる三星堆博物館には、多くの観光客が訪れています。中には、その謎を解こうと、手がかりを見つけに来る人も少なくありません。三星堆の神秘的な文化財は世界で唯一のもので、東洋文化と地元の蜀の国の文化を備えた特徴があります。これが三星堆の魅力だと言えるでしょう。

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