2008年北京オリンピックまであと二年。ジュニア世界選手権で生まれた世界チャンピオンの卵たちの中から、いったい誰が正真正銘のビッグスターに成長できるのか・・これについて、馮樹勇監督は次のように分析しました。
「今回、メダルを獲得した彼らの中で、実際に、オリンピックでよい成績を残せる選手は決して多くはないと考えています。今の中国のレベルでは、男子110メートルハードルの劉翔など数人のスター選手しかメダルは期待できないというのが現状です。ただ、今大会で頭角を現した新人たちには、これからの二年間で、ぜひ努力してもらいたい。世界の頂点に立つまでには、まだまだ長い道のりがあります。中国の陸上も一流レベルにランクされるまで長い道がありますが、われわれは全力を挙げて努力していきたいです。」
ところで、今大会、陸上ナンバーワンの国、アメリカが一体どうしたんだろう・・という成績でしたが・・その原因はどこにあるか、馮樹勇監督に聞きました。
「この結果は、決してアメリカのジュニア年代の力不足を示しているわけではありません。アメリカの関係者も語っていましたが、ある選手は、3月ごろから、すでに各大会に出場を続けたため、今大会は疲労のピークに達していたということ、また何より重要なのは、彼らがジュニア大会の結果をあまり重要視していないためのでしょう。」
アメリカの考え方は、つまりジュニアの大会は、結果ではなく、あくまでオリンピックを頂点とする「過程」の一つと考えているというわけでしょう。馮監督の話にもあったように、彼らは専門トレーニングを受け始めるのが早くないため、ジュニア大会での結果は二の次というわけです。ただ、やっぱりオリンピックではそんな彼らが上位に入ってくるのです。
陸上は身体能力が何よりものを言うスポーツですから、やはり体に恵まれている西洋系の人たちの優位というのはやむをえないです。この身体的な差をどうやって克服し、自分の長所を発揮できるのかが、中国陸上界の大きな課題となっています。中国国家代表の馮樹勇総監督です。
「今大会、半数以上の中国選手は自己ベストを更新しました。これは彼らの将来にとてもいいことであると思います。しかし、ジュニア大会の全体的なレベルはオリンピックなど世界大会のレベルに遠く及ばないものです。中国の若手選手にはまだまだ長い道を歩かなければなりません。これからの二年間で、彼らのレベルをより引き上げるため、もっと海外の大会で経験をつませたり、より高いレベルの指導をうけさせたりなどの措置を取っていきます。試合経験が豊かになって初めて大きなレースで安定したタイムを出せるはずですし、それがメダルにもつながると思います。」(文章:王丹丹 08/28) 1 2
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