(五)再現!15連続スマッシュの死闘!!
再び、日本開催となった第39回東京世界選手権。ここで一人の女子選手が脚光を浴びる。朝鮮の新鋭、18歳のヤン・ヨンジャ(梁英子)である。当時、世界のトップレベルを走っていた中国の耿麗娟・童玲・黄俊群らを次々と破り、決勝では曹燕華と女王の座を争う。ヤンは、素早い動き、力強いスマッシュ、そしてここぞというところでの攻撃的バックハンドで得点を重ねていく。カウントセット1?1で迎えた第3セット、曹燕華リードで13対11。ここであの卓球の名場面がまた再現される。ヤンの鋭いスマッシュに対し、曹がやや後ろ引いて、ロビングを返す、ヤンがスマッシュ、返す、スマッシュ・・。三つ、四つ、五つ・・。
1961年第26回北京世界選手権で、徐寅生と日本の星野展弥が繰り広げた、卓球界伝説の「12連続スマッシュ」を彷彿とさせる攻防が繰り広げられたのである。
そして15回目、ヤンの渾身のスマッシュはアウトとなる。守りの曹が、攻撃のヤンのミスを誘い、徐々に追い詰めていく。結局、曹燕華が3対1で朝鮮の「期待の星」を下して、初めて世界チャンピオンに輝いた。
この大会は、男子ダブルス以外の種目で、中国勢は王者に輝く。
第37回日本東京世界選手権(1983年4月28日ー5月9日)
中国のチャンピオン:
男子団体戦 女子団体戦 男子シングルス(郭躍華)
女子シングルス(曹燕華) 女子ダブルス(戴麗麗・瀋剣萍)
混合ダブルス(郭躍華・倪夏蓮)
第38回スウェーデン・エーテボリ世界選手権
(1985年3月28日ー4月7日)
中国のチャンピオン:
男子団体戦 女子団体戦 男子シングルス(江嘉良)
女子シングルス(曹燕華) 女子ダブルス(戴麗麗・耿麗娟)
混合ダブルス(蔡振華・曹燕華)
第39回インド・ニューデリー世界選手権。この大会は男子スウェーデン勢が中国の王座を脅かす。男子団体決勝では0対5で中国に破れたものの、個人戦シングルスでウォルドナールが中国の陳龍燦、トウ義を続けて3対0で破り、決勝進出。そして決勝では勢いに乗るウォルドナールが中国の江嘉良と対戦した。第一セットはウォルドナール。第2セット、第3セットは江が取り、迎えた第4セット。20対16 でウォルドナールがセットポイント。江嘉良はここで積極的な攻撃を見せる。4連続得点で20対20のデュースに持ち込む。流れを摑んだ江嘉良が、最後は24対22で第4セットをものにし、カウント4-1で世界選手権の連覇を果たした。勢いのある選手を相手に、セット差以上の激しい試合を展開した江嘉良。決勝後に彼が流した涙は、多くの卓球ファンに感動を与えた。
第39回インド・ニューデリー世界選手権
(1987年2月6日ー2月16日)
中国のチャンピオン:
男子団体戦 女子団体戦 男子シングルス(江嘉良)
女子シングルス(何智麗) 男子ダブルス(陳龍燦・韋晴光)
混合ダブルス(恵鈞・耿麗娟)
1989年、第40回ドイツ・ドルトムント大会。ここで中国男子は、5大会ぶりに団体戦の優勝を逃す。それにともない、個人戦も無冠。そして、この男子卓球の低迷は、次の千葉大会まで続き、第42回スウェーデン大会でダブルスが一矢報いるものの、団体の復活Vは次の第43回天津大会まで待たねばならない・・。相変わらず、「常勝軍団」を形成する女子の活躍を尻目に、"6年間の空白期"を迎える。
第40回ドイツ・ドルトムント世界選手権
(1989年3月29日ー4月9日)
中国のチャンピオン:
女子団体戦 女子シングルス(キョウ紅)
女子ダブルス(キョウ紅・鄧亜萍)
第41回日本千葉世界選手権(1991年4月24日ー5月6日)
中国のチャンピオン:
女子シングルス(鄧亜萍) 女子ダブルス(陳子カ・高軍)
混合ダブルス(王濤・劉偉)
第42回スウェーデン・エーテボリ世界選手権
(1993年5月11日ー5月23日)
中国のチャンピオン:
女子団体戦 男子ダブルス(王濤・呂林)
女子ダブルス(劉偉・キョウ雲萍) 混合ダブルス(王濤・劉偉)
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