湿度というと、「不快指数」という言葉があるように、食物や住まいのかびの原因としても嫌われています。が、冬の湿度というと話は別。人体への影響は低い湿度の方が問題です。
低湿度は風邪の原因に
湿度が低いと鼻やのどの粘膜が乾燥し、荒れて細菌に感染しやすくなったり、インフルエンザウイルスの生存率が高まったり、ウイルスが空中を舞いやすくなるといった理由から、冬には風邪をひきやすくなり、ほかの呼吸器疾患にもつながりやすいといわれます。
このような傾向がはっきり現れるのは、湿度が30%以下になった場合です。そのために、ビル管理法では建物内の湿度を40%以上に保つように定めています。が、現在のセントラルヒーティング(集中暖房)の設備では、この基準を達成することが難しいというのが現状です。冬期には室内湿度40%以下にとどまっています。ビル全体で最低湿度を守ることが難しいとすれば、各部屋ごとに加湿器などによって湿度を上げる工夫をしなければいけません。
結露にはご注意!
ところで、家庭での加湿というと、加湿器以外に、ストーブの上でやかんが蓋をカタカタされているというのが冬の室内のお決まりの光景です。しかし結露は、万人共通の悩みごとになりつつあります。
すきま風も通さないほど気密性に富んだサッシの部屋では、やかんや加湿器から吹き上げられた水蒸気は、行き場がないために外気との境目にあるサッシに付いて、露となって流れ落ちるしかありません。専門家によれば、結露があるほどの高い湿度(70%以上)では、冬場の低温下でもかびの発生が起こるとのこと。そこで「健康との関係では、湿度が40~70%の範囲になるように湿度に気を配ることが大切だ」と言っています。
湿度を測定する湿度計というと、小学生時代の「お天気調べ」の宿題以来すっかりごぶさたという人も少なくないはず。しかし、冬場の健康を考える上では、記録をつけないまでも湿度計を居間などにさげて、湿度と健康の管理に役立ててはいかがでしょう。
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