中国文化に関心をお持ちの方にとって、今までの中国人の最も多い（1）苗字は、「趙、銭、孫、李」という順に、（2）馴染みが深いと思います。この順序は、千年ぐらい前の宋の時代から決まっていたもので、テキストなどにもよく載せていますが、今は、どうなっているでしょうか。

　これについて、この間、中国科学院のある研究所が（3）2年かけて調査した結果を発表しました。（4）「李、王、張、劉」が上位の4苗字があることが分かりました。ちなみに、今回の調査であわせて4100の苗字があることが分かり、そのうち、よく使われている苗字は300とのことです。昔の、「趙、銭、孫、李」の順序と随分違い、今後は「李、王、張、劉」というふうに言い直さなければなりません。この結果は、日本語部でもほぼ（5）当て嵌まるようです。32人いる日本語部全スタッフの中で、25の苗字があります。その中で「王」という苗字がもっとも多く6人を占め、「張」と「劉」は同じく2人ずつです。

　ところで、中国人の苗字はずっと（6）父系の苗字で引き継ぐので、「李、王、張、劉」の家族がほかの苗字の家族よりずっと男の子が多く生まれていることが言えます。中国人の苗字は5000年ぐらいの歴史があり、この長い歴史の中で、苗字の順番はきっといろいろな変化があったと思います。その変化を促した背景には何があったのか、想像が広がります。

　このほか、苗字の種類や数などの（7）データから、中国人男性の持つ（8）Y染色体の多様性も分かり、病気の分布、漢民族の源流なども読み取れるとのことです。