28日に開かれた中国国務院報道弁公室の記者会見では、中国の首席獣医師でもある農業省の賈幼陵獣医局長は、「中国の一部の省で発生した鳥インフルエンザの感染情況はすでに効果的に抑えられた」と発表しました。また、中国衛生省の関係者も記者会見で、「中国では、人間が高病原性鳥インフルエンザに感染したケースはない」と明らかにしました。
今年の秋に入って、中国北部の内蒙古自治区や中部の湖南省、東部の安徽省では、H5N1型ウィルスによる高病原性鳥インフルエンザ感染が発生したあと、中国農業省や地元の各級政府は一連の緊急措置を取りました。これについて、賈幼陵局長は、「現在、感染確認地区を封鎖し、そこの家禽や家禽製品の出荷を厳禁し、関係者や車輌の出入りを厳格にコントロールすることになっている。感染確認地区から3キロ以内では、すべての家禽を焼却したり埋めたりして無公害処理を行うとともに、家禽養殖者に補助金を当てており、養殖場の鳥小屋や道路、出入りの車輌などに消毒を施している。また、感染可能な地区で免疫強化の緊急措置を実施しているため、この3地区の感染は抑制されており、新たな感染確認も出ていない」と語りました。
賈幼陵局長によりますと、今年に入って、世界中に広がっている鳥インフルエンザの感染拡大に対して、中国の関係部門は多くの会議を開き、感染予防作業を調整し、対策の試案と実施計画を制定した上で、免疫作業にさらに力を入れ、すべての水禽や放し飼いにした家禽類に集中的に免疫を実施しました。このほか、中国は、国境地域やかつて感染が確認された地域、養殖が過密になっている地域に対して監視・監督を行い、鳥インフルエンザの早期予防、早期報告に科学的で正確な協力を提供したということです。
中国は、人間が鳥インフルエンザに感染することを防ぐため、いろいろな措置を講じてきました。中国衛生省応急弁公室の陳賢義主任は当日の記者会見で、「衛生部門は、農業部門と品質監督部門との協力メカニズムや、人間が鳥インフルエンザに感染した時の応急対策及び関連の予防治療計画を完備させると同時に、人間への感染を早期発見するため、その感染情況の監視と監督を強化している。多くの部門の協力により、今のところ、中国では、人間が高病原性鳥インフルエンザに感染したケースはまだ出ていない」と明らかにしました。
関係筋によりますと、鳥インフルエンザ感染予防をめぐる国際協力の面で、中国農業省と衛生省はFAO・国連食糧農業機関とWHO・世界保健機関と4者会議制度を構築し、国際組織に中国の鳥インフルエンザ対策と感染情況を適時に報告し、各種の鳥インフルエンザ対策会議に積極的に参加してるほか、ベトナムやタイ、朝鮮、モンゴル、インドネシアなどの国に予防技術や物資援助を提供しているということです。
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