建設中の青海チベット鉄道は6月下旬ラサ北西部80キロの羊八井まで敷設されました。
工事現場の作業区域と宿舎周辺は清潔で、土地の有効利用と植物の保護を考慮し、鉄道線路両側の作業用歩道は環境保全措置が実施されました。
生活ゴミの処理は厳格に規制され、人間の排泄物は埋立処分し、飲み物の瓶や果物の皮などはゴミ袋に入れて集中的に処理します。
作業現場では休憩所に生活ゴミ回収用のゴミ袋が備え付けてあり、ゴミ運搬用車両も用意されて、北部のアムド県ではゴミ処分場があり、生活ゴミがアムド県に運搬され、焼却処分されています。
チベット自治区環境保全局の局長である張永沢博士は「自治区政府は経済建設と環境保全の調整を一貫して重視しており、開発と環境保全の総合的政策決定メカニズムを確立し、開発プロジェクトの評価に当たっては環境保全基準を厳格に適用している」と語っています。
チベット自治区政府の開発・環境保全総合政策決定メカニズムは汚染企業の建設を抑制し、工事による環境汚染を最低限に抑えるため、重点プロジェクトに対し、汚染検査と施工企業への監督を強めています。
チベットの生態環境が脆弱なため、開発プロジェクトの環境影響評価は厳格で、自治区政府は2003年から域内の砂金鉱65カ所のうち、34カ所を閉鎖し、残りの11カ所は今後3年のうち閉鎖する予定です。
チベット自治区にはチョモランマ峰、ヤルツァンボ川の大峡谷など世界一の自然景観があり、観光業は基幹産業の一つとなっており、観光客は年を追って増えています。
観光業界は「発展の基礎は環境保全である」と認識しており、自治区の観光局と環境保全局は毎年、重点景観地の環境保全の情況に対する合同検査を実施しています。
世界の最高峰であるチョモランマ峰の環境保全は立法措置を講じ、科学調査と登山活動に制限を加えるべきであると見られています。
ヤルツァンボ川沿岸は以前砂漠化が深刻だったため、毎年冬と春は砂嵐が吹き荒れていました。
ここ数年、沿岸4万ヘクタールの地帯に植樹を行い、気候は改善され、春になると、住民はマスクをつける必要もなくなりました。
統計によりますと、チベット自治区の3分の1は自然保護区となっており、域内自然保護区の面積は40万平方キロに達しています。
青海チベット高原はアジアの大河の源流地であり、北半球の生態を調節する機能をもっています。
チベットの生態環境を保全することは、生物の多様性とアジアおよび世界の生態環境を保全することにつながっています。
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