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隆里古城
   2005-08-10 10:43:37    cri

隆里古城

竜舞に興じている子供たち

 隆里古城は、雲貴(雲南・貴州)高原の東隅に位置する貴州省錦屏県の南部にある。明代の軍事要塞ー隆里所城がその前身であるが、このような千戸の規模を持ち、しかも完全に保存された明代の要塞は、中国でも非常に稀である。明代以来、中央政権は縁辺地域で自らの統治を強化し、中原文化を少数民族に浸透させるため、このような屯田軍の要塞を置いた。古城から21km離れた黎平空港は、錦屏から黎平トン族村風景区に入る重要な交通拠点である。

 隆里古城は山間の盆地の中部にあり、地形は平坦である。四方を山に囲まれた隆里古城の西を清らかな竜渓河が北に向かって流れ、豊かな植生が天を覆っている。豊かな自然資源に恵まれた隆里古城は、もとは竜里と呼ばれていた。これはカーブを描きながら延々と流れる竜渓河に由来した名である。

 史書の記載によると、624年に竜標県が置かれ、唐代には当時の著名な詩人・王昌齢がここに左遷されている。ここの特産物は米、菜種油、スイカ、杉、金などで、古来豊かで、礼節を重んじる土地柄であった。

 隆里古城は昔の要塞都市の遺跡で、すでに600年以上の歴史がある。明の洪武19年(1368年)、永楽2年(1404年)に改修され、泥を積み上げた城壁が造られた。天順元年(1457年)に初めてくり石で城壁の周囲を覆い、現在の形になる。清の咸豊、光緒年間に、古城は何度か攻撃を受けたが、現在も配置や民家などは本来の姿を保っている。特にくり石で舗装された城内の道は独特の景観である。古城の周囲は1500m、長方形に近い形をしており、東西南北に設けられた城門には楼閣が築かれ、東門は「清陽門」、南門は「正陽門」、西門は「迎恩門」とそれぞれ名づけられているが、北門は閉じられたままになっている。鼓楼は今も健在だが、城壁は所々崩れてしまった。城内は中央の旧千戸所を中心に東西南北に大通りが伸び、大通りから分かれた3筋の通りが6つの横丁を作る。この配置は、地元では俗に「三街六巷」と呼ばれている。街道の脇にはそれぞれ溝が掘られ、水が城内を巡り、城外にも堀と城を守るための疎水がある。古城の石碑を見ると、清の中後期が隆里古城の最盛期で、人口は激増し、文化が栄えた。「城内の人口は3700、城外に7300、72の姓が集まり、72の井戸があった」とある。この時期、民の暮らしは安定し、人々は生業に専念し、地域は豊かになり、多くの住宅や廟が築かれた。

舞竜会に引き出された山車

 城内は通りに沿って民家が整然と並んでいる。反り返った軒が特徴の黒い瓦の屋根と装飾が施された壁の石板が敷かれた民家は、レンガ塀で囲まれ、門の前は黒い石の3段の階段がある。家屋の後ろは中庭で、防火用水を貯める黒い石の甕には竜の精緻な彫刻が施されている。家屋は木造だが、釘は使われておらず、構造は精巧で装飾は美しい。特に古城の東南角と西南角に築かれた廟は装飾が豪華である。

 隆里古城は清らかな山と水に恵まれ、周囲の林は10万ムー(1ムーは6.667a)にも及んでいる。延々と続く山々は緑豊かで、古城はまるで緑の海に浮かぶ島のようである。

 隆里古城一帯には、昔をしのばせる城壁、建築郡、書院、寺院、井戸、街道、橋、墓、石碑などの文物古跡が多く残されている。中でも、竜標書院、状元橋、平水石橋、書坊橋は有名である。

 現在古城に住んでいる人々の多くは、明代の駐屯部隊の子孫である。その祖先は安徽省、江西省などの地方の出身者で、辺境の地を開墾すると同時に、江南の進んだ技術をこの地に伝え、綿や麻を植え、布を織り、治水技術を駆使して隆里の社会経済の発展に貢献した。

 隆里古城で伝えられている文化は主に漢文化で、特に江南の文化の影響が強い。儒教、仏教、道教の各文化がこの地にもたらされ、数百年の間にミャオ族、トン族の文化と衝突、融合を繰り返し、中原文化と現地の少数民族文化とも違う、少数民族の中の漢族文化コミュニティという特殊な文化を作り上げた。隆里古城の民間に伝わる花臉竜、物語、芝居なども独特で、一年の祭りは豊富である。また、繊細な調理法も伝わっている。

 隆里古城の民俗はこの地の各民族の文化が混ざり合ったもので、人々の気質は純朴である。時とともに古城の軍事要塞としての役割は消え、経済文化の中心という地位もすでに失われたが、明代に盛んに行われた屯田兵の砦は今も保たれ、中国の古代建築と都市計画の生きた資料となっている。1999年、隆里古城の修復は中国・ノルウェイの文化協力建設プロジェクトに入れられ、古城は貴州省の4つのエコロジー博物館と、22の重点保護文物を持つ民族文化村の一つになっている。

文/王永強

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