2006年は中国第11次五ヵ年計画のスタートの年に当たります。3月に開かれた中国の両会議(全国人民代表大会と全国政治協商会議)では、金融環境や金融体制の改革をめぐる議題がホットな話題となりました。
銀行業の改革
2005年、交通銀行、建設銀行は相次いで体制改革を完成し、戦略的投資家を取り込んで香港での上場を実現しました。2006年は農業銀行を除く国有銀行の体制改革が中国銀行業のグレードアップを推進する主な原動力になると見られています。
これについて、上海財政経済大学現代金融研究センターの丁剣平主任は、「国家の資金投入と海外の戦略的投資家の導入によって、銀行は自らの不良資産をなくし、管理構造を改めたが、しかし競争力をいち早く向上させなければならない。2006年末には、中国は金融市場を全面的に開放することになっているが、銀行業の発展がまだ遅れている状況の下で、時間は差し迫っている。資金投入と外国投資家の導入がその解決策と言えるだろう」と語りました。
金利・為替レートの改革、国際収支のバランス維持
中国社会科学院金融所の殷剣峰研究員は、「これからは人民元の値上がり幅を引き続き段取りよくコントロールする必要がある。市場金利が低すぎることは最近の金融市場の典型的な現象で、この問題を解決するには、ただ単に消費を刺激し、財政を拡張してはならず、投資メカニズムや金融システムの改革によって解決すべきだ」と指摘しています。
この専門家はまた、「体制改革の深化につれ、今年、中国の為替レートの改革は主に為替レートの形成メカニズムの改善や、為替レートのリスク管理のために新しい市場、新しい製品、新しい取引のメカニズムを提供することにある。そうすれば、中国の外貨市場の構造が改善できる」と語りました。
また、国際収支のバランスを保つことも今年の金融政策のポイントの一つです。過剰の黒字は人民元の値上がりに圧力をかけると同時に、中国の経済構造に影響を与えています。このほど開かれた2006年外貨管理活動会議では、国際収支のバランス維持を中国の4大マクロ経済任務の一つと位置付けました。(つづく)(『上海証券報』より 訳:劉叡琳)
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