ここ数年、日本では女子十二樂坊の活躍もあり、中国の伝統楽器に興味を持つ方がだんだん多くなっているそうですね。数多くの伝統楽器の中でも二胡はその代表格で、人気も国境を越え、世界各地で様々な音楽に用いられるようになりました。その独特な音色と豊かな表現力で多くの人を魅了しています。
今日の中国民族メロディーは、二胡の有名な演奏家・劉長福さんが奏でた曲を中心にご紹介しましょう。二胡は日本の三味線より小ぶりで、共鳴部分となる本体にはニシキヘビの皮が貼られています。哀愁を帯びた独特な二胡の音色を聞くと、目の前に中国大陸の風景が浮かんでくるようです。では、まずお送りするのは劉長福さんが作曲、演奏した「牧羊女(羊飼いの娘)」をお楽しみください。この曲は新疆ウィグル自治区の美しい景色やタジク族の少女の華麗な踊りをうまく表現しています。
M1 イー 牧羊女 4'36''
劉長福さんは、中国初の修士学位を経歴にもつ二胡奏者です。劉さんは小さい頃から絵画や音楽に深い関心を持ち、特に音楽方面で素晴らしい才能を見せ始めました。彼は16才で中央音楽学院附属中学校を優秀な成績で卒業し、内蒙古芸術学校に教師として赴任します。その後、モンゴル草原で十数年生活し、1970年代後半には名門の中央音楽学院へ進学します。現在は中央音楽学院で教鞭をとる傍ら、国内外でも幅広く演奏活動をしています。草原での青春期を振り返り、劉さんは
「草原での生活は私に多くの人生感を与えただけでなく、まさに青春期の象徴でもあります。草原での生活が無ければ、今日の作品を作り出すことはできなかったでしょう」と述べました。
最後に江南地方の伝統的な音楽「花歓楽(楽しい日々)」を聞きながらお別れしましょう。
M2.イー 花歓楽 4'45''
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