「ふんふん、陳九さんか。はははっは、あの人は変わった人じゃ。あんたの人柄を見て、助けたくなったのじゃろう」
これを聞いたのか、碁を打っていた二人の老人もニコニコ顔で高玉成をみた。これに高玉成はほっとしているとかの老人がまたいう。
「わかった。しかし、あんたはここにおられん。わしが送ってあげよう」
老人はこういうと高玉成を連れて洞窟を出た。そして雲を呼び、これに乗って帰りなさいというので、高玉成は仕方なく雲に乗ると、老人は姿を消し、雲はやはり高玉成を乗せてゆっくりと家の庭に降りた。家に入ると妻が驚いた後泣いて喜び、高玉成が家を離れたその夜のことを話した。
それによるとその夜、怖い顔をした数人の男が家に来て、高玉成を連れに来たといい、家中を探したが高玉成がいないので、あきらめて去って行ったという。
実はそれから三年たっていたのだ。
これに高玉成は不思議がった。妻は三年も高玉成が帰らないので死んだと思ってあきらめていたというので、高玉成は、腰に結んだいくつかの袋をあけてみた。するとまだ口にしていなかった食べ物は、とっくに干からび、粉々になっており、服は色があせっていた。
これで高玉成はわかった。その怖い顔をした男たちとは地獄の使いで高玉成を連れに来たのだということを。そこで、高玉成は庭に出て跪き、大声で物乞いに感謝した。
で、その日の夜、かの物乞いが高玉成の夢にでてきた。
「高どの。あんたは心の優しい人じゃ。そんな人を早々とあの世に送るのはもったいないから、わしが助けたのじゃ。これからもよい事をを続けなさい」といったワイ。
その後高玉成は妻と共に長生きしたという。
そろそろ時間のようです。来週またお会いいたしましょう。
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