前回の民族メロディーは世界でも有名なピアニスト・リチャード・クレイダーマンが中国西南部の少数民族トン族の大歌を元に作曲した「蝉之歌(セミの歌)」とトン族の童謡を紹介しました。今回も引き続きトン族の大歌、すなわちアカペラを紹介しましょう。
トン族のアカペラは主に低音と高音の2パートから構成され、その主旋律は低音が取ります。歌は1人がソプラノで歌い、他の人はバスで声を合わせて合唱します。まずお送りしますのはそんなトン族の合唱がキレイな「?堂歌(祭典の歌)」です。
M.「綵堂歌(祭典の歌)」
今お聞きいただいた曲はトン族が祖先を祭る時に唄う歌、「綵堂歌(祭典の歌)」でした。トン族たちが行う様々なお祭りの中において、彼らの合唱はお祭りの魂になると言われています。
続いてお送りしますのは芦笙で独奏された曲「北京火車進侗郷(北京の汽車がトン族の村に入る)」です。芦笙は中国西南部のトン族、ミャオ族、ヤオ族などに伝わる民族楽器です。芦笙の合音は豊富で、その音色はしなやかで美しく、調和が取れており、演奏者の思いや感情を表現しやすい楽器と言われています。この曲は北京からの汽車が初めてトン族の村を通った時、村の人々が汽車が喜びに湧いた様子を生き生きと描いています。
M. 「北京火車進侗郷(北京の汽車がトン族の村に入る)」
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