4月上旬の北京は穏やかな陽気で、心地よい風が吹きます。この季節は凧揚げにも」ピッタリの季節です。中国では気候の安定する春から初夏にかけてが凧揚げのシーズンです。今日は凧揚げをテーマに中国の民族音楽を二曲紹介しましょう。
中国で凧は2000年あまりの歴史があり、一般に「風筝」と呼ばれています。今から2000年前の漢の時代、当時有名だった建築職人・魯班が、竹と紙で人類初の凧を作ったという伝説があります。この凧は、頭の部分の弦に風があたると弦楽器の古筝の音色とよく似ている音を出したことから、風の古筝即ち風筝と呼ばれるようになった訳です。その後、凧上げは徐々に若い女性に人気の遊びになりました。毎年4月から5月にかけて、若い娘達が上げる様々な凧は春の風物詩になったということです。では、まずお送りするのは北部・河北省に伝わる民謡「放風筝(凧揚げ)」です。この歌は少女達が凧を揚げる前に綺麗にお化粧する様子などを描写しています。
放風筝(浙江)
中国山東省の維坊(イボウ)は、昔から凧の故郷と呼ばれています。地元で作られるこの凧と、「年画」と呼ばれるお正月に飾るめでたい木版画はとても有名です。凧作りのベテラン職人である楊立強さんは「我々の村には凧作りの伝統が今も残っています。毎年旧正月には村人たちが年画を作り始め、清明節前後の農閑期までに木版画を仕上げ、残った顔料で凧の絵付けをします」
では、つづいてお送りするのは山東省の凧揚げの歌です。この歌は姉妹8人が一緒に凧を揚げる楽しい情景を表しています。
放風筝(山東)
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