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(二)「銭の雨」ー2
   2008-05-20 15:45:05    cri
 と、それから数日たった日の午後、じいさんはいつもの通りやってきたが、秀才は相手がキツネだから、一つぐらい自分の願いをかなえてくれるだろうと思い、しばらくためらっていた。これに気がついたじいさん、目をつぶってからきく。

 「お若いの、どうしたのかな?なにか?」

 これに秀才は思い切っていう。

 「おじいさんとわたしもこうして忘年の友となったのでしょう」

 「うん、ま、そういうことじゃな」

 「それにおじいさんは長いこと修行を積んだキツネどのだから、少しぐらいの魔術は使えるんじゃないのかな?」

 「ああ。少しは使えるがなあ」

 「それじゃあ。今のわたしの懐を何とかしてくださいよ。こんな貧乏な暮らしじゃ、どうにもならない」

 「ほうほう。ということは金かな」

 「そういうこと。そういうこと」

 「うーん」

 「いけないかな?」

 「いや。実はわしには金というものがない。じゃから、金を増やすには金がないといかん」

 「金ならわたしの僅かな蓄えがある」

 秀才はこういうと、懐から小さな包みを取り出し、それを大事そうにあけると、中には銭三文が出てきた。

 「この三文を基にやってくださいよ」

 「それは難しくない」

 「じゃあ、お願いしますよ」

 「仕方がないな」

 じいさんはこういうとその銭を受け取り、それを右手で握り、なんかぶつぶついっている。秀才がそれを見ているとじいさんは「えい!」と一声出して銭を部屋の天井に放り上げた。すると、天井から小銭がパラパラと降ってきたではないか!そして小銭は積もって足首まで埋めてしまった。

 「うひゃー!これはすごい」

 「どうじゃな?お若いの。これで足りるか?」

 「うん。これで十分だ。やった!これからはいい暮らしができる!」

 そしてじいさんは部屋の外に出て行ったので、秀才も外に出て戸を閉めた。

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