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(四)「身代わり」ー1
   2008-05-20 15:44:46    cri

 次のお話です。「けん異録」という本から「自分の代わり」

 「身代わり」(張凱)

 ある町に張凱という六十になる人が住んでいた。建武二年のこと、彼は郊外から馬車で帰る途中、道端に男が仰向けに倒れているので、馬車からおりれ近寄ってみると、男は苦しそうな顔で張凱を見ている。そこでいったいどうしたんだと聞くと、足がひどく痛くて動けず、家は南楚というところにあるが、これでは家族をここへ呼ぶこともできないという。これに同情した張凱は、馬車に積んであった荷物を全部捨て、男を馬車の上に横たわらせた。これに男は礼をいい、そのままじっとしていた。こうして馬車は張凱の家に着いたので、張凱はまたも男を背負って家の中に入り、外の部屋の床に寝かせた。そこで男は横になりながら、また張凱に礼をいう。これに張凱は答えた。

 「そんなに気にすることはない。旅に出ればいろいろなことがある。こういうときは人に助けてもらうしかない。わたしもむかし旅をして人に助けてもらったよ。あんたはしばらくわたしの家で休みなさい。明日にでも人をやってあんたの家族に知らせるから」

 これを聞いた男は安心して寝てしまった。

 さて、翌朝、張凱が起きて外の部屋に行くと、かの男は庭に出て辺りを眺めていた。そして張凱が来たのに知らん顔をしている。そこで張凱が声をかけると男は難しい顔して答えた。

 「張凱さん、実は昨日足が痛いというのはうそだったんだよ。ただあんたがどんな人間が試しただけさ」

 「なんだって?そんな・・人を馬鹿にするのか!」と張凱は怒り出した。

 「まあ、まあ、そう怒りなさんな」

 「怒るのが当たり前だろうに」

 「ふふ、そうかもね」

 「あんた何者だ!」

 「わたしかい。わたしはあの世からきたものさ!」

 「え?冗談じゃない」

 「冗談なんかじゃない」

 「と、ということは?」

 「わたしは閻魔の使いであんたをあの世に連れにきたのさ」

 「そんな馬鹿な!」

 「ほんとのことだ。あんたの寿命は六十までとなっていた」

 「では・・」

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