常持満はこういいおわると、立ち上がり自分の前に置かれた酒甕を両手でもつと一気に中の酒を飲み干した。そして汝陽王が、ふらふらの目であきれて見ている前で常持満は後ろにドターンとぶっ倒れてしまった。これに驚いた汝陽王は、下のものに支えられて立ち上がり、向かい側の床に倒れている常持満を見ようとすると、下のものが驚きの声を上げた。
そこで「ど、ど、どうしたのだ?!」とやっとのことで首を長くして向かいの床を見た。
「ああ?なんだ?これは」
みると向かいの床に倒れていたのは常持満ではなく、あまり高くない太い酒樽だったのだ。
このとき、汝陽王は、ふらふらしながらも、これは国師の葉静能が自分を諌めるためにやったことだ気がつき、それからは酒を見るたびにこのことが頭に浮かび、大酒はやめたそうな。はい!
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