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千慮の一得
   2007-06-19 16:17:29    cri

 今度は《晏子春秋》という書物から「千慮の一得」です。これは愚かなものでも

 その多くの考えに中には一つぐらいいいものがあるという意味でしょうね。

 日本では「愚者にも千慮の一得あり」といっているようですね。

 「千慮の一得」

 時は春秋時代、晏子は斉の宰相という身分でありながら正直である上、粗末な暮らしに甘んじていたことから、この国では信頼できる人物として、人々から慕い仰がれていた。

 ある日、斉の王である景公が使いを送ってきたが、そのとき、晏子はちょうど朝餉をとっているところだったので、使いはまだだろうと、もてなしに自分の朝餉の半分を出して一緒に食べた。使いはこれに驚いたが、それよりも宰相である人物が民百姓と同じものを食べていることに驚き、また感動し、宮殿に帰るとこのことを景公に話した。

  これを聞いた景公、これまで宰相である晏子が、そんな暮らしをしているとは思ってもいなかったので、金一千両をすぐさま晏子の屋敷に送らせた。しかし、晏子はこの金をすぐに宮殿に送り返した。そこで景公がもう一度屋敷に送らせたところまた送り返されてきた。

 「なんじゃ?晏子は頑固で変わったものじゃのう」と景公はその次の日に晏子を呼んで聞いた。

 「そちはどういうことじゃ?かつてわが国の管仲も王の恒公からの金は受け取っておるぞ。しかし、そちはどうしてわしの送った金を受け取らんのじゃ?」

 これに晏子はこう答えた。

 「優れた人の多くの考えにも、時には誤りというものがございます。また愚かなものでも,多くの考えに中には一つぐらいいいものがあるというもの。実は君であろうと臣であろうと、心を清らかにし欲を持たずに過ごすことが大事でござります。で、私めは愚か者でござりますから、私の考えの中にも一つぐらいいいものがあると思っておりますので」

 これを聞いた景公、しばらく考えていたが、そのうちにうなずいたという。

 そろそろ、時間のようです、では来週またお会いいたしましょう。

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