世界自然遺産である武陵源は張家界市の北部に広がる自然風景区。張家界国家森林公園、天子山自然保護区、索渓峪自然保護区、張家界景観区の4エリアに分かれ、その中にそれぞれまた別の景観区がある。武陵源全体で面積は397.5km2で400以上の見所が点在しています。エリアの97％が森林に覆われている。奇封と木々、それに雲海が、ここにしかない特別な風景を作り出しています。黄石寨の雄、金鞭溪の幽、腰子寨の険、朝天観の奇、沙刀溝の野を五絶といわれています。

　武陵源は一言に言えば、「山は黄山、水は桂林」と呼ばれているように、風光明媚で何とも言えないまた不思議な風景を呈しています。黄山しかり、桂林しかり、ほんとに自然のなせる業は素晴らしく、何ゆえこのような調和の取れた風景を醸し出しうるのか。神のなせる業に驚嘆せざるを得ません。

　武陵源は中国湖南省、長江の中流地域に広がっています。林立する奇岩の数は3000を超すと言われます。地殻変動により隆起した石英砂岩層が、長い時間をかけて水に侵食されこの景観を生み出しました。岩山のふもとに広がる深い森は、氷河期には古くからの植物のシェルターになり、3000種類もの植物の宝庫となっています。

　珠玉のような風景区・張家甲森林公園の奇峰と渓谷が織り成す風景は、秀麗・原　始・集中・奇妙・清新という5つの特徴があり、「五絶」と言われている。山の気勢が雄大で奇峰で険しい黄石塞や、桃源郷の金鞭郷が代表的です。

　そこには様々な生き物たちが生息しています。武陵源には、土家族という少数民族も暮らしています。険しい山の畑を耕しながら、奥地の村でひっそりと生きてきたかれらですが、いまではその暮らしも大分楽になりました。変にとんだ景観は、その時々によってもまた姿を変え、観光客の目を楽しませています。山水が奇観を呈する索渓峪自然保護区の大鍾乳洞（黄龍洞）は、天然の迷宮といわれ、地下のダイヤモンド・黄龍洞・高い渓谷の中にある宝峰湖が素晴らしいです。石林の王・天子山自然保護区の風景も、神秘的に溢れた幻のような景観です。

　武陵源は、独特の地形とその豊かな生態系の普遍的な価値が認められ、1992年に世界自然遺産に登録されました。