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(二)「おかしな食客」ー1
   2007-05-29 13:28:34    cri
 今日のこの時間は、清代中期の劇作家沈記鳳が書いた「諧鐸」から「おかしな食客」、それに同じく清の乾隆帝時代に、四庫全書の編纂官などを努めた紀暁嵐の随筆集「閲微草堂筆記」から「袋運び」です。

 最初は、「諧鐸」から「おかしな食客」です。

 沈鳴皋は、河北にある保定の長官をしていた。彼は後ろ暗いことをせずに勤め上げてきたので、地元では評判がいい。しかし、時には用事が多すぎて、頭が回らず困ることもあった。

 さて、当時、都で役人をしている沈鳴皋のよき友、邵南叔が、久しぶりに届いた沈鳴皋からの手紙を見た後、面白い男がいるといって、その者を沈鳴皋のもとに行かせた。そこで沈鳴皋が一応あってみると、男は熊子静といい、自分は読み書きが下手で、ただ、食べることと飲むことは得意だと答える。これに沈鳴皋は、よき友の邵南叔がこんなものをわざわざ送ってくるとはなんだ??と不審に思ったが、これにはなにかわけがありそうだと思って、「では、わしの元でしばらくのんびりしなさい」と屋敷の一部屋をあけ、自分の食客として暮らさせた。 

 で、この熊子静は、毎日何もせず、ただ遠慮せずに飲んだり食ったりし、また、主の沈鳴皋のところにも挨拶に行かず、醜い顔も洗わず、一日中部屋の中で寝そべっていた。

 これに屋敷の者は、主人の沈鳴皋が毎日、長官として民百姓のために頑張っているのに、この熊子静は、物知らずで失礼な奴だと怒っていたが、これを知った主の沈鳴皋は、熊子静が悪いことをしているわけでもないのでお前たちは口を出すなと屋敷の者に言いつけた。

 こうして半年が過ぎたある日の朝、食客の熊子静は、急に沈鳴皋の部屋に挨拶に来ていう。

 「これは長官どの、毎日、うまい酒と料理を食わしてもらい、わたしの体はよく休まった。かたじけない。どうもお世話になった。わたしこれから別のところに行くので屋敷を離れますわい」と言い出す。

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