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(四)「狄惟謙」ー2
   2006-12-28 10:45:09    cri
 そこで、晋陽の役人と住民がこの広場に集まり雨を待った。しかし、三日待っても雨は降らない。そこで巫女がいう。

 「どこかで陰陽の差が大きすぎたのでござろう。それにここの県令が不明だからでござる。仕方がないのでわたしはもう一度天帝に願ってきましょう。そして七日後にはきっと雨をふらせましょう」

 これに県令の狄惟謙は顔を赤くした。しかたなく巫女のいうとおり、また七日待つことにし、巫女を大事に扱った。こうして七日が過ぎたが、雨はまだ降らない。そこで巫女はため息をつき、ここの民百姓は運が悪いと言ってふるさとに帰るという。

 「これは郭天師、ここの民百姓のためにわざわざ来られたのですから、もう一度雨を求めてくだされ」

 これに巫女は怒った。

 「なんと!そこもとは無知な役人ですね。天のことは何もわからないくせに!天帝さまが雨を降らしてくださらないのですから仕方がないでしょう。わたしがここにいてもどうにもならないのです!」

 これに狄惟謙は顔色を変えずこたえた。

 「そうでござりましたか、何も知らず失礼いたしました。どうでしょう。これまでのお礼として今夜に一席設けますので、明日お帰りくださいまし」といい、巫女がこれに答える前に部下に、聞こえたなといった。そこで巫女も気をよくしたのか、自分の泊まっている宿に戻っていった。そして夜の宴が終わったあと、狄惟謙は腹心を呼んだ。

 「あの巫女は人を騙している。懲らしめなくてはならん。いいか、お前と部下たちはわたしの言うとおりにするんだ。あとどうなるかは知らんが、すべての責任はわたしがとる」

 こうして翌日、巫女が馬車で帰ろうとしていると狄惟謙が見送りに来た。しかし、土産らしいものは何も持っていない。巫女はこれを見てなんと狄惟謙をののしり始めた。実は巫女は、都の大官から「郭天師」の称号を貰い、誰もこれまでの自分の行いに口を挟んだことがないのでいい気になっていたのだ。巫女がののしるのを黙って聞いていた狄惟謙だが、相手が言い終わると急に顔色を変え怒鳴った。

 「ばかもの!お前のようなインチキ巫女がいるから民百姓が苦労するのだ!お前のようなものは、ここから生きて帰れるとは思うな。それ!このインチキ巫女に罰を加え、近くの川に投げ込め!」

昔話
v (五)「狄惟謙」ー3 2006-12-28 10:44:55
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