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(二)墓場選び
   2006-12-19 15:05:30    cri
 次のお話です。「酉陽雑俎(しょ)」 という本から「墓場選び」です。

 「墓場選び」(虫+馬蟻)

 唐の文宗帝のころ、忠州の墊(てん)江県の役人冉瑞は、父が亡くなったので、風水先生を呼んで父の墓はどこにしたらよいかを占ってもらった。そこで先生が、暫く東西南北とそれぞれながめ、手指を伸ばして数えてから、眼をつぶってうなり始め、酒をいっぱい飲んでからいう。

 「これは、これは、いいところが見つかりましたぞ」と西の方に冉瑞を連れて行き、ある丘の下の土地と指差した。

 「うん、うん。ここがよかろう」といい、冉瑞から代金をもらってニコニコ顔でどこかへいてしまった。

 冉瑞はさっそく人を雇ってそこを掘ると、なんと大きなアリの巣にぶつかってしまった。このアリの巣は城のようであり、たくさんの穴にはアリがうじょうじょしていて、このような穴が数百も並んでいる。このありの城を壊してしまったのだからそれは大変。怒ったアリたちは、死に物狂いで自分たちの住処(すみか)を壊した人間を襲い、アリの巣の奥からもどんどんアリが出てきて、ここら一帯に住む人々までも襲った。その数はすごく多いというものではなく、黒い土が動くようで、襲われた人々は悲鳴を上げ、逃げ回ったり、のたうちまわったりし、襲われた住まいは黒く染まり、やがては崩れ落ちるというありさま。

 で、このことを役所に届けるものがいて、これを知った役人は、かの場所の近くにきてこのひどい様子を見てびっくり。こうして何とかし、この騒ぎを収めようとしていると、急にアリたちはまた自分の城にぞろぞろと引き上げていったので、この日は何とかおさまった。

 役人たちは事のわけをきいてから、翌日県令に申し出た。これに県令は怒ったが、実は役人である冉瑞とは昔からの友達。それに冉瑞の父にはむかし世話になったことがある。そこで仕方がないので、冉瑞をよび、ほかのところにするよう勧めたが、翌日、冉瑞が厳というもう一人の風水先生に占ってもらったところ、やはりかの場所がいいという。そこで冉瑞、今度はアリを何とかしなければと、多くの人を雇って、あまり遠くない丘の下に、土や砂でここのありの城と同じような住処を何日もかかって作らせ、ありが好んで食べるという虫の死骸や草の種、そしてサトウキビなどをその巣の中に入れた。こうして数日たつと、なんとアリたちは虫やサトウキビの匂いを嗅いだのか、丸々二日かけてその新しい住処に移っていた。こうして冉瑞はやっとのことで、そこに父の墓を立てた。

 さて、その日の夜、かの風水先生の厳さんが急にひどい熱で倒れ、そのうちに気が狂ったように自分で両方の頬を叩いたり、柱に頭をぶつけたりする。これを聞いた冉瑞は、これは自分のせいだと思い、さっそく家の庭にアリを祭る壇を作ってアリが好みそうなものを供え、天に向かってアリにお礼をいい、また厳という風水先生を呼んできて、自分と一緒にアリを拝ませた。それが終わってから上等な薬をこの風水先生に飲ましたので、この先生は数日後にやっと元に戻ったという。やれやれ!

昔話
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