日本では、北の北海道で紅葉が始まったと聞きました。ここ北京でも、今からが紅葉の季節です。また、紅葉を楽しむだけでなく、この季節は菊の花も楽しむことができます。北京の有名な観光地・北海公園では毎年、菊の花の展示会が開かれます。今年の展示会もまもなく開かれるようです。
「掀起ニイ的盖頭来」
今週の「中国民族音楽」は、新疆ウィグル自治区民族音楽の最終回をお送りしましょう。まずウズベク族の結婚式でよく歌われる「掀起ニイ的盖頭来(花嫁さん、ベールをあげて)」です。西北部・新疆ウィグル自治区に暮らすウズベク族は、昔からイスラム教を信仰し、非常に礼儀正しい民族です。ウズベク族の習慣によりますと、結婚式の前、男性の母親がお土産などを持って女性の両親を訪ねます。男性の母親は「お嬢さんは月のよう。内うちの息子は太陽のよう。月が太陽の周りを回ってこそ、太陽は明るく輝くことができる。この二人の子は本当にお似合いだと思いますが、そちらのご意見はいかがですか」と伺います。もし女性の両親が二つ返事で同意すれば、結婚式を行うことができる、というわけです。この「掀起ニイ的盖頭来(花嫁さん、ベールをあげて)」という歌は、軽快なリズムとユーモア溢れる歌詞で、結婚式で、みんなが美しい花嫁を祝福する場面を描いています。
お聞きいただいたのはウズベク族の有名な民謡「掀起ニイ的盖頭来(花嫁さん、ベールをあげて)」でした。
「離別」
ウズベク族と同じように、新疆ウィグル自治区北部に暮らしているタタル族もイスラム教を信仰している民族です。唐の時代の文献によりますと、タタル族はモンゴル系の部族で、「チュルク語を使うモンゴル人」或いは「チュルク化したモンゴル人」とも呼ばれるとのことです。タタル族の民族習慣によりますと、タタル族の人は、同じタタル族、もしくは同じくイスラム教を信仰しているウィグル族やウズベク族としか結婚できません。また、いったんに結婚すると、夫婦の仲が悪くなっても離婚できません。タタル族では離婚は非常に珍しいです。離婚率が絶えず高まり、人々が離婚によってもたらされるさまざまな社会問題で悩んでいる今日、タタル族の人々は依然としてこの古い伝統を守っています。次にお送りしますのはタタル族の民謡「離別(離別)」です。この歌はタタル族女性が愛する人と別れる時の気持ちを生き生きと描いています。
中国民族音楽、この番組は北京のスタジオから黄競がお送りしています。お聞きいただいたのは新疆ウィグル自治区のタタル族の民謡「離別」でした。
「在銀色的月光下」
では続いてお送りしますのは、タタル族の有名な民謡「在銀色的月光下(銀色の月光の下で)」です。この歌は私個人が大好きな民謡で、日本のリスナーのみなさんにもお馴染みの、女子十二楽坊も演奏したこともあります。中国民謡の代表作と呼ばれている曲なのです。タタル族では、未婚の少女は外を出歩くことをほとんどしません。また、外の人に見られないように、家にいるときもカーテンを閉めています。もし、リスナーの皆さんがタタル族の街を訪れる機会があればわかると思いますが、昼間からカーテンをぴったりと閉めている家は、ほぼ未婚の娘がいる家なのです。では、続いてお送りしますのはタタル族の民謡「在銀色的月光下(銀色の月光の下で)」です。
お聞きいただいたのはタタル族の民謡「在銀色的月光下(銀色の月光の下で)」でした。
今日の中国民族音楽は新疆ウィグル自治区の民謡を紹介しました。最後にキルギス族の民謡「世上絶有」をお聞きいただきながらお別れしましょう。この歌もキルギス族の若者の恋への憧れの気持ちを表しました。それでは、来週まで御機嫌よう。再見。
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