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楊貴妃と「貴妃鶏」
   2006-03-28 16:43:13    cri
 今晩は、ご機嫌いかがでしょうか?

 早いものでもうすぐ4月ですね。北京の気温も徐々にあがり、日中は時には20度近くまで上がったりします。しかし緯度のせいか、夜は薄着すると風邪を引くかもしれないので、油断なりません。それに社宅の暖房もすでにないことから、室内の温度は時には外より低いことがあるので、気をつけている今日この頃です、実はこの11日に北京では3月の中旬だというのに珍しく「にわか雪」がふり、気温がいっぺんに下がってその夜は零下にまで下がったということがありますが、でも、いまでは典型的な「三寒四温」の天気はもう終わったようです。

 さて、この時間は、江蘇の蘇州地方の名物料理「貴妃鶏」についてのお話です。この「貴妃鶏」とは日本では鶏の手羽先の醤油煮らしいですね。もちろん貴妃とはかの楊貴妃のことで、この料理は、楊貴妃が好んで食べたというのでこの名がついたらしいのです。でははじめます。

 いまから約1200年前は、唐の玄宗帝である李隆基の時代。彼の即位後の前半の治世により、この期間は唐代の絶頂期といわれ、、「開元の治」として多くの善政が行われた。しかし、玄宗帝は晩年になると、ぼけ始めたのか、政治も徐々に悪くなった。つまり、天下泰平の中で玄宗帝は徐々に政治に飽き始めたらしい。そのうちに寵妃である武恵妃が死んだので、玄宗帝は代わりの美女を捜し求めさせた。そこで見つけ出されたのが、玄宗帝の息子の妃になっていた楊貴妃である。玄宗は楊貴妃に溺れ、朝から晩まで楊貴妃と戯れ続け、なんと朝廷にはあまり出てこないようになり、政治をおろそかにし、国の重要な事柄を宰相の李林甫や楊貴妃の従兄だという楊林など、下心をもつ連中に任してしまった。

 と、ある日、玄宗帝はまたも楊貴妃とお酒を飲みながら互いに歌を口ずさみ、そのうちに気が転倒し始め、ついには酔っ払い、「今日の酒もうまいのう!!」と何度も叫びだした。

 こちら楊貴妃もかなり酔い、ふらふらになり「私めは、飛び立ちまする!」と叫ぶ。

 これを聞いた玄宗帝、酔っているので楊貴妃が何が料理が食べたいのかと勘違いして、側で仕えている者命じた。

 「よいか!妃が言う料理を作らせもってこい!」

 これを聞いた誓えているもの、あわてて厨房にこの命を伝えたが、料理人たちはこのような名の料理はこれまで作ったこともないし、耳にしたこともない。しかし、皇帝の命令なので、料理を作って出さなければ首が飛ぶかもしれないと料理人たちは必死に考え始めた。そこで一人の料理人がいう。

 「どうですかね。その料理は鳥が材料になったものではないですかね?鷹は空高く飛びますので、この料理の名に似てますぞ」

  

 これには他のの料理人も納得し、さっそく、鷹の肉の醤油煮を作って味見してみたが、なんと鷹の肉はすっぱい。

 「これは出せん」と料理人たちがまたも顔をしかめ考え出したが、一人の蘇州生まれの蘇という料理人がいて、鶏の手羽肉は柔らかく料理しやすいのを思い出し、これを材料に料理を作れば、皇帝の怒りを逃れられると考えてこれを話したところ、他の料理人ももっともだとうなずき、「そうするしかない」といち早く若鶏の手羽肉を切り落とし、これを主な材料に、しいたけ、水に戻した貝の干物、たけのこと辛味のない唐辛子を加えて煮込み、上等の味をつけて味見してみると確かにうまい。

 「これはいい」

 「この料理ならお叱りを受けずに済むであろう」

 「いかにも。早くこれを出してもらおう、ぐずぐずしているとどんなことになるかしれたものではないぞ」

 こうして料理人たちは皇帝に仕える者にこの料理を出させた。

 そこで玄宗帝はさっそく味見したが、肉も柔らかく確かにうまい。

 「愛する妃や。そちが先ほど申した料理ができたぞや。さ!遠慮なくおあがり」

 これには楊貴妃、しばらくきょとんとしていたが、皇帝が自分のために下の者に作らせた料理だと聞くと食欲も出てきたのが、「それではお言葉に甘えまして」と箸を取り、料理をつまんで口に入れた。

 「うわ~。これはおいしゅうございます。こんなにおいしい鶏料理は初めてでございます。」

 これを聞いて玄宗帝も満足。実を言うとこのときは酒からいくらか醒めており、頭も先ほどとよりはっきりしていたので、さっそく仕える者に聞いた。

 「うんうん。ところで、この料理はなんというのじゃ?」

 これには仕える者もびっくり。

   

 「は、はい!料理の名は先ほどこの料理を作れと陛下が命じられたとき、おっしゃいましたが!」

 「なに?うーん、そうであったか。なんの料理を作れを命じたのかのう!今となっては忘れてしもうたわい!」

 「申し上げます。そのとき陛下は、なにか"とびたつ"とか申されましたが」

 「なんと?"とびたつ"じゃと?おかしな名前じゃのう。料理の名にはなっとらんわい!」

 これを料理をつまみ続けながら聞いていた楊貴妃、この鶏料理があまりにもおいしいので、自分もうれしくなって口を挟んだ。

 「陛下。この料理は色もよく、柔らかい上に、とてもよい香りがします。実は私めのふるさと貴陽の料理とよく似ておりますので、私めの名をとって"貴妃鳥"という名にされましては?」

 愛する妃が喜んでそういうものだから、これには玄宗帝は大喜び。

 「ははははっは!よしよし。それではこの料理の名を"貴妃鳥"とよびことにしよう。これほど愛する妃が喜んだのじゃ。いいな、厨房の者どもに褒美をつかわすと伝えよ」

 「はは!かしこまりました。必ずかの厨房の者どもに褒美をつかわしまする」

 こうして料理の名が決まり、おろおろして結果を待っていた厨房の料理人もこれを聞いてほっとし、その上で褒美までもらって喜んだ。

 のちにこの料理を考え出したかの蘇州生まれの料理人は、年をとったと暇を貰い、ふるさとに戻って店を開き、この料理の作り方を思い出して客に出したところ、すごく評判がよく、このときからこの「貴妃鳥」は蘇州の名物料理になり、今に伝わってきたわい!

 そろそろ時間のようですが、ここでお知らせです。来月、この「中国昔話」の放送時間が火曜日に変わりました。そして長さも15分に増えました。これからもこの「中国昔話」をお聞きになってくださいませ。どういかよろしくお願いいたします。おしらせでした。

 では、次の時間、4月の4日の放送時間にまたお会いいたしましょう。

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