レスリングは1896年の第1回アテネ大会からオリンピック競技だ。1904年の第3回セントルイス大会ではフリースタイルだけが競技種目となったため、ウイーンでグレコローマン世界選手権が開催された。
1912年には統一機関として国際レスリング連盟(FILA)が設立され、体重区分やルールが整備されて徐々に競技として成熟した。
戦後すぐのオリンピックや世界選手権の参加国は10数カ国だったが、1960年代には20カ国を超え、FILAへの加盟国も増えた。1968年第19回メキシコシティー大会の後、大規模なルール改正が行われ、四角形の試合場が円形となった。階級も従来の呼称をやめ、kg表示へ変更し、10階級に増えた。
1980年代に入ると、フランスや北欧で女子レスリングが行われるようになり、FILAは1983年に女子のレスリングを正式に認可。1985年にフランスで初めてFILA認定の国際大会が9階級で行われ、1987年には世界選手権を開催。1989年から毎年実施されている。
IOCのオリンピックの肥大化防止の方針を受け入れ、1992年バルセロナ大会から予選を採用、各階級の出場選手数を制限している。1997年には男子8階級、女子6階級に変更。2004年アテネ大会から女子競技の採用決定にともない、男女とも7階級ずつに再変更している(ただしアテネ大会の女子は4階級のみの実施)。
現在の加盟国・地域数は約150カ国で、世界選手権には男子80カ国前後、女子40カ国前後が出場している。
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