マラソンランナー・西垣内義則さんに聞く
世界十大マラソン大会に数えられる第27回北京マラソン大会が10月21日に開催され、世界各地から24000人のランナーが参加しました。CRIonlineの日本人読者・西垣内義則さん(58歳、東京都東久留米市)もこの大会に参加しました。
帰国後、西垣内さんから参加リポートが送られ、参加の感想や、中国本土のマラソンクラブ"跑吧「Running 8」"(パオバ)との心温まる交流ぶりについて、記されています。このリポートはまた、"パオバ"事務局から中国語にも翻訳され、ウェブサイトで掲載されています。
今月末にも上海の国際マラソンに参加する西垣内さんに、メールで取材しました。
Q 日ごろ、お仕事が忙しいにもかかわらず、良くも海外のマラソン大会に出かけましたね。
A マラソンはほとんど日曜日に行なわれます。ですから海外のマラソンでも金曜日と月曜日の2日間休暇をとれば行けるので割合便利な海外旅行なんですね。サラリーマンはまとまった休みが取れないので、ちょうどいい楽しみです。
Q 中国本土のマラソンクラブ"跑吧「Running 8」"(パオバ)と、どのように出会いましたか。
A パオバをインターネット上で知ったのは昨年3月頃でした。5月に参加の申込をし、319番目でした。今日の会員数をみると1311人なので、この1年半で約1000人も増えています。大陸でもマラソン愛好家がどんどん増えていることは嬉しいです。
私はずっと大陸のマラソン関係のホームページを探していました。なかなか見つかりませんでした。このパオバにどのようにアクセスできたのか今は記憶にありません。しかし、HPを見つけたときは「お、あった」と嬉しかったことを覚えています。わたしは、あまり中国語を読めないので最初は深読みできませんでした。HPにはランニング練習方法などものっており、「中国でもランニング方法の研究をしているのだな」と思いました。しかし、中国の長距離の練習方法はまだまだ発達過程です。HPの練習方法の情報だけでは満足いかないので、中国に行ったときに、書店で長距離ランニングに関する本を探しましたがほとんどありません。日本の書店にはたくさんあります。「マラソン完走必勝法」でも書けば中国でもそれなりに売れるのではないかと思いました。
Q 西垣内さんはその後、パオバで中国語のブログを開設し、北京でも管理人や皆さんと会ったようですね。
A はい。最初はパオバのHPは見る程度でしたが、その後、パオバの会員が使っているブログに私もブログを立ち上げて自己紹介をしました。その自己紹介にパオバホームページの管理であるグビンさんがコメントを書いてくれました。それで、「お、反応があった」と感じ、それから何回かブログに投稿しました。管理人のグビンさんは毎回私のブログに来てくれました。私も彼のブログは毎日のように見るようになりました。
それで、今回北京に行った時はぜひグビンさんに会って来ようと、「高橋尚子のネックレス」をおみやげに持って行き、北京国際マラソン前日の土曜日に彼が泊まっているホテルに行きました。初対面ですし、訪問することも事前に知らせていませんでしたが、フロントで彼を呼び出すと来てくれ、お互いに握手を交わしました。
06年5月1日にパオバの会員登録をして07年10月20日に初めてパオバの人にあったのですが、自分のこれからのマラソン人生においてとても大切な出会いであったと思っています。
Q 中国語の学習も続けているようですね。始めたきっかけは?
A 中国語の学習を始めたのは中国人とコミュニケーションできる程度に中国語を喋るようになりたい、というのが目標でした。私は通訳だとか中国ビジネスだとかに関わるほど中国語を習得しようと思いませんしまた実際出来ないでしょう。しかし、日常会話くらいはできるようになりたいというのが願いでした。英語ではそれなりにコミュニケーションできるので欧米人と楽しく情報交換できるのが便利です。ですから、中国と向き合って自分がこれから交流していくには自分が中国語をできるようになろう。それに尽きます。
Q パオバの皆さんと実際に会って、中国語で交流し、語学学習の面でも良い刺激になりましたか。
A はい。今回パオバの人たちとマラソン終了後に交流し、サバイバルながら中国語でコミュニケーションできました。その意味で、自分が中国語を学習してきた目標がひとまず達成できたことを感じました。
語学は4技能と言います。読む、聞くというインプット力、話す、書くというアウトプット力です。そして語彙力、文法理解、文化理解などを深めながら、語学の運用力を高めていくことになるのだろうと思います。その意味では、自分の中国語はやっと入口に立った段階ですが、これからもっとコミュニケーションできる中国語の習得をしたいと思っています。おそらくその習得レベルのアップにしたがって中国人との交流は深くなって行くのだろうと思います。
今月末には上海国際マラソンに参加します。またパオバの皆さんとお会いできるので楽しみです。
Q 最後に、中国で走ることに寄せる思いを聞かせてください。
A 自分の趣味を通してですが、こうして少しずつ中国のマラソン仲間と交流が深まることが楽しいです。中国はまだマラソン大会が少ないですが、広い中国です。これからどんどん増えていくことでしょう。そして私も各地のマラソン大会に参加しながら中国旅行を楽しみたいと思っています。(取材、文責:王小燕)
*西垣内さんの北京マラソンリポート
http://tky24.exblog.jp/7241833/
http://www.running8.com/news/detail.cfm?id=335(中国語訳文)
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