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環境保全に力を入れる近江八幡市
   2006-05-22 15:18:23    cri

 近江八幡市は人口6万8900人余りを持ち、内湖・西の湖に恵まれ、日本国内最大の水郷地帯とされ、水生植物であるヨシが茂り、そのヨシを活用した産業が人々の不断の努力で発展してきた。また、2005年11月には、棚田や里山など日本独特の原風景の保護を日本政府が支援する目的で新設された文化遺産「重要文化的景観」の第一号に選定された。

 これは市長を初め、市民一人一人の努力の賜物だといえよう。

 近江八幡市の川端五兵衛市長は取材に対しこのように話してくれた。

 1970年代ごろ、日本は高度成長期にありますが、その代わりに大自然の恵みを破壊する行為があちこちに見られ、生活廃水を勝手に捨て、これまで綺麗だった河はヘドロでふさがられ狭くなり、蚊やハエが発生し、使われなくなった電気製品などもところかまわず捨てられ、住居環境が悪いほうへとすっかり変わった。しかし、なぜこんなに変わってきたか、その責任はどこにあるのか、これに対し住民は、自分たちの手で自分たちの住む環境を破壊したという認識を持っていなかった。環境を変えるには、まず人々の考えを改める必要があると地元政府は考えていた。そして地元政府の努力により、人々は、自分たちによって汚された環境を、自分たちの手で元の環境に戻すことを認識し始め、行動に立ち上がった。長年の努力により、近江八幡市はつい日本全国にその名を知られるようになった、という。

 近江八幡市を訪れた時は、朝晩はまだ肌寒い季節で、柳だけが少し青みを帯びてきた。川端市長のお話を聞いて外を出ると、あたり一面に広がっている大自然を目の当たりにして、春になると、ここはきっと緑豊かな場所に変身してしまうだろうと思う。琵琶湖や内湖を守る運動を長年、地道に行っている川端市長とその市民の一人一人の努力によって、7歳からこの西の湖で漁をし続けてきた保智為治さんは70年間もここで、魚取りをすることができ、また、71歳の西川嘉広さんはヨシ博物館を開設する夢を持つことができたわけだ。

 

 保智為治さんの仕事場は西の湖、毎朝4時から10時まで、自らが丹精込めて作った"たつべ"と呼ばれる魚を獲る竹篭や刺し網を持ってフナなどを獲っている。保智さんの実際に獲っているところを見せていただいた。保智さんは77歳を思わない慣れた手つきで船を漕いで、前日川の葦の間に仕掛けた"たつべ"を取り出す。中には必ずといっていいほど一匹か二匹の魚が入っている。これを見た外国の記者たちも思わず喜びの声を出してしまう。現在、近江八幡市で"たつべ"漁業を行っているのは保智為治さん一人だそうだ。

 保智さんは「家が貧しく、親父が酒を飲み病気になり、家を助けるために魚を獲り始めました。この西の湖で70年間も魚を獲って来ました。西の湖は私の蔵で、生活の源です」と話した。

 保智為治さんが今後もこの西の湖で"たつべ"で魚を獲ることができるのを期待している。

 

 私達外国の記者一行はまた、400年以上の歴史を持つヨシ卸商「西川嘉右衛門商店」の17代目の西川嘉廣さんを尋ねた。

 ヨシといえば、中国の「芦葦」ですが、中国と同じようにこのヨシを使って作った製品は都会では目にすることがめったにない。ヨシを買い求める人もヨシを栽培する人、またヨシを使って製品を作る人も少なくなった。西川さんも若い時医学の道をすすんだ。長男としての西川さんは退職後、東京から故郷に戻り、父親の残した歌日記を読んで、ヨシが水質浄化機能を持ち、ヨシを守り育てることの大切さを訴える父親の気持ちを知り、父親の遺志を継いでヨシ原を守る活動を始めた。

 西川さんはその世界各国から集めてきたヨシに関係する文献や工芸品などを見せてくれた。5000点もあることにはびっくりした。今、西川さんにとって最大の夢はヨシ博物館を設けることだそうだ。その夢が実現できるようにお祈りしたい。

(写真:kokusei)

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