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武藤美幸さん CCTVで活躍した日本人女優
   2006-07-17 09:59:51    cri
 武藤美幸さん。一昨年、中国に滞在したことがある人は知っているかもしれない。名前は知らなくても彼女の姿を中国のテレビや新聞雑誌で目にしている可能性は高い。むしろ現地メディアに触れている中国人の方が知っていると答えるだろう。中国で著名な日本人の女優は数多いが、武藤さんは新しい日中時代の女優である。

 2004年、全国ネットである中央電視台で「記憶的証明」というドラマが最高視聴率10%を記録した。一般の家庭でも50チャンネルは視聴できる中国ではテレビの視聴率は1%に満たないのが普通、5%もあればヒット番組である。その大ヒットドラマで準主演として活躍した日本人が武藤美幸さんである。現在は住まいを北京に移して、中国本土の連続ドラマに出演を重ねている。日中共同製作のドラマや映画に出演したことがある日本人の俳優は少なくない。作品が企画され、キャストが決まり、製作発表会が開かれ、撮影に入る。そんな手順を踏んで出演が決まるのがセオリーであるが、彼女の出演の決定までの経緯はひと味もふた味も違っていた。

 2003年夏、武藤さんは知人に誘われて中国に旅行に行った。大学卒業後、韓国映画のリメイク映画「時の香りーーリメンバー・ミー」に出演したり、張芸謀監督のメイキングムービーのナレーションを経験するなど元々、アジアには深い縁があったのかもしれない。旅行先の北京で知人の紹介で一人の女性、楊陽監督に出会う。楊監督は抗日戦争時代のドラマのロケを数週間後に控えていたが、日本人役の女性のキャスティングにしっくりきていなかったらしい。通訳を介しながらのコミュニケーションではあったが武藤さんと出会い何か強いものを感じたらしい。すぐにでもカメラテストをしたいと提案をしてきたのである。プライベートの旅行中であった武藤さんは吃驚するが、すぐにでも、という楊監督の申し出を真摯に受け止めた。

 楊監督自らがドラマのストーリーを語ると、通訳を介してであるのに武藤さんの頭の中には物語のイメージが繰り広げられ、時代に翻弄されたそのドラマの登場人物たちの運命のはかなさに、ふと気付くと涙を流していたと言う。翌日のテストの結果がでた。武藤さんの起用が決定。たった2日間の出来事であった。すぐに帰国をして、1週間後に北京にリターン、すぐに2ヶ月に渡る撮影が始まった。当時はまだ中国語を未習得であったが、自分の演じる役の行動に納得がいかない場合は、楊監督と徹底的に話し合った。言葉が通じなくても楊監督はぐっと彼女を抱きしめて「思うとおりに演じなさい」と理解を示してくれたという。監督と呼吸のあった演技の結果は上述の視聴率を見れば明らかである。

 武藤さんは「記憶的証明」以降も、天津南開大学の創立者を描く連続ドラマ「張伯苓」に出演、中国人には出来ないリアルな日本人を演じている。日中のカルチャーのギャップを埋め、日中の未来につながることを自分がドラマに出演することで実現していきたいという。一方で、自分が中国で吸収できた身近な出来事を日本のテレビや雑誌、ラジオでパーソナリティとなり情報発信を続けている。彼女は忙しい。中国では演技、日本では言葉で、表現を続ける武藤さんに今後も注目したい。(文責:日中メディア研究会 森岡正樹)

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