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村上司郎さん  中国の子供に日本の旅を
   2006-07-17 09:59:51    cri
村上司郎さん

 日中青少年旅行財団(1987年設立)理事長 1941年生まれ 愛媛県出身 日本大学 法学部新聞学科卒業

 

 「今回で私の訪中は285回になりましたよ」ーー、村上さんに会えばまずはこのフレーズから会話が始まる。訪中カウンターは毎週更新中だ。日本には「中国通」を自負する人は数多といるが、こんなにも"中国に通っている人"はそうはいない。

 未来を担う子供たちの日中交流を促進しようと、1987年4月に「日中青少年旅行財団」を設立した。日本から中国への修学旅行生はすでに延べ70万人以上。だが交流は一方通行ではいけないと、この10年ほどは中国の子供を日本に招くプロジェクトに力を傾けている。これまでこの中国青少年受け入れ事業によって日本を訪れた中国人は、先方の費用負担によるもので約3000人、招待での受け入れは200人を越えた。

 だが当初は難問山積だった。まずは人脈づくり。宴席では言葉は話せない分、白酒はいくらでも受けて立った。さらに中国の各地方へ飛んでは、役所への説得を重ねた。

 最大の壁はどの家庭でも一人っ子を海外へ出すのに抵抗があること。また日本より英語圏志向という現実もある。高すぎる旅費も敬遠される。村上さんは日本航空や全日空やなどから"優待料金"をとりつけ、外務省に修学旅行生のビザ無料化を訴えた。そして最後は自ら学校へ赴き直接父母らに会い、大切な子供を自分に託してほしいと説得。

 子供たちが到着すると、自ら細やかな配慮で旅をコーディネートする。一人一人の子供に大声で挨拶。料理は低予算の中で知恵をしぼりご馳走を用意。京都の嵐山に行けば周恩来首相の石碑を紹介、心に刻ませる。「私の場合はまず顔が中国人ですからね。まあ、性格は山東人と言われますよ。腹にためずはっきりと言いますから」、豪快に笑うこんなキャラクターゆえに、「村上爺爺(おじいちゃん)」はすぐさま子供たちの人気者になる。

 「人と人との交流は長く続いてこそ意味がある」??、そう考える村上さんは共通の趣味を持つ子供たちの出会いの場をセッティングしている。受け入れは故郷、愛媛県の学校で、今年は大連の中学校の管弦楽部73名を来日させた。日本と中国の子供たちがそれぞれの演奏を披露した後、ホームステイで寝食を共にした。

 旅の最終日、村上さんは日本の侵略戦争を謝罪し、未来を互いの力で築こうと呼びかける。戦争のことは日本人は話したがらないもの、そう思っていた子供たちは村上さんの真摯な言葉に一様に驚く。そして自分たちも日本について、日本人について率直に伝えて帰国の途に着く。「日本人は怖い人たちだと思っていたけど、親切で優しい人だった」、「自分は交流の使者となりたいと思った」・・・。子供たちの安全を守らねばならないという緊張から解放され、心が満たされる瞬間だ。

 強靭な信念と行動力で子供たちの心に"友情"の種を蒔き続ける村上司郎さん、65歳。訪中カウンターは今週も更新中だ。(文責:日中メディア研究会 満永いずみ)

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