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中国のエリート予備軍の価値観を描き出す(岡本聡子さん)
   2006-07-17 09:59:51    cri
 岡本聡子さん(おかもと・さとこ。1976年生まれ。大阪府出身。早稲田大学法学部卒。外資戦略系コンサルティング会社に4年間勤務した後、上海市にあるCEIBS(中欧国際工商学院)に留学し、MBAを取得)

 将来の中国ビジネスを動かしていくリーダーたちの価値観を知りたい人は多いだろう。その答えは「中国の若きエリートたちの素顔」と言う本から見つけることができる。著者の岡本聡子さんは上海にある英語が共通語の国際的なビジネススクール(CEIBS)でMBAを取得した。岡本さんは一年半にわたって彼(女)らと寝食を共にして、歴史認識の問題や反日についても何度も大議論を交わしたことで、ようやく本音や価値観が理解できたという。

 CEIBSは各地から高い競争率を勝ち抜いたエリート達が集まる。学生は中国の外資系企業や大手国有企業の出身者、高級官僚の子弟などで、胡錦濤国家主席の娘も在籍して、卒業時の平均月収は3万元(40万円)と上海市平均の10倍にもなる。間違いなく今後の中国を支えていくトップエリートの集団だ。

<なぜ中国のMBAに?>

 「隣国であり重要な国だが、私は中国の本当の姿を知らないと気づいた。特に都市部知識層の価値観や言動を伝える日本のメディアは皆無だったのでどうしようかと思っていたが、偶然英語のMBAが見つかったため、初の日本人留学生となった」と岡本さんは言う。

「入学する前、日本人は嫌われているんじゃないか、と思っていたんですが 、日本人を親切に受け入れてくれたことに驚いた」しかし複雑な日中関係の中で、反日的なメールが同級生全員に流されたこともあった。そんな時、岡本さんは沈黙せず、真摯な交流を選んで、同級生にこんなメールをしたという。

親愛なる全同級生へ:

 「(前略)私は、戦争とその後の日本政府の対応について、皆が不満に感じていることも知っているし、とても遺憾に思います。私は大学で国際法を学んでおり、また、日中の歴史について今勉強し直しているところです。議論すべきことは、ぜひそうしたいと思います。それに、このようなメールは全員あてのメーリングリストに流れても、私たち個人、すなわち同級生の日本人を中傷する意図がないことも理解しています。でも、私たちは同級生として、ここにいるのです。今回のようなメールは、自分たちに向けられたものでなくても、異国で学ぶ身として非常に悲しく、不愉快に感じます。私は、今までの数カ月間を通して、皆を友人だと思い、信じています。」

 「日本人が何を考えているのかを本当はすごく知りたがっているんですよ」と岡本さんは言う。「率直に言いたいことを言って、結局的には良かったと思っています。外交とは別に、民間のビジネスレベルではこういう交流もあるんだから、なんとか自分たちの経験を人に伝えていって、がんばらないといけないと思う」。中国人同級生に「本音を話すし、ちゃんと話を聴けるし信用できる相手」と位置づけてもらうために日々誠実に行動した。

<本が誕生>

 同級生である超エリート中国人と歴史認識問題や反日感情などについて本音で語り合った1年半の記録は、そもそも岡本さんが在学中に1年間限定のメールマガジンとして発行していたものだ。2500人以上の読者をもち、400通以上の反響のメールが届いた人気コンテンツだ。今、日本のメディアを通して知ることのできる中国は、マクロ分析や、反日的な映像が多くを占めているが、中国ビジネスにおいては、今後の中国を担う人々??CEIBSに通うような若い中国人エリートたち??を知らずに、大局的な判断はできない。そこでメルマガを書籍化した。現在、両国は微妙な関係にあるが、本書は、既存メディアがつくる中国のイメージを超えて、ひとりひとりの中国人を思い描いてもらえるものに仕上がっているといえる。(文責:日中メディア研究会 宋歌、中井豊)

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