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蔡国強さん 火薬アーティスト
   2006-07-17 09:59:51    cri
 火薬は中国人による三大発明の一つ。火薬が伝わった西欧では、それを戦争のための道具として利用し、大量破壊兵器を生み出した。中国人アーティストの蔡国強さんは、「人を殺すために使われてきた火薬を、人を癒し、平和のために使いたい」と語る。

 「芸術は爆発だ!」と言ったのは岡本太郎だが、蔡さんのアートは本物の爆発を見せてくれる。2001年秋、上海で開かれたAPEC。その直前にニューヨークで起きた同時テロで厳戒態勢の中を、蔡さんは市内の高層ビルに仕掛けた花火を次々に爆発させ、歓迎イベントを成功させた。浦東にそびえる東方明珠塔が、夜空に大輪の花を咲かせるように、花火に包まれるさまを見て子供のように興奮する蔡さんを、テレビで見た人もいるだろう。

 

 実はあのイベント、最初は横浜でやる予定だったと聞いて驚いた。「日本でああいうものをやるのは難しい。主催者がたくさんいて、皆に納得してもらうのがたいへん。消防署の規制もあるし、何かあったら誰が責任を取るのだと言われたらどうしようもない」間近に蔡さんの花火アートを見る機会を逸してしまったのは、日本人としてちょっと悔しい。

 蔡さんのアートは、世界中で行われている。奇抜なアイデア、大仕掛けのイベントとして注目されることが多いが、どれもが蔡さんの現代社会への批判と、人々の平和への祈り、豊かな文化に対する思いが込められている。スペインでは、列車テロの犠牲者を追悼するため、昼間に黒い花火でアーチを作った。サンパウロのビエンナーレに出品されたインスタレーション「Bon Voyage」は、空港で没収された一万本近くのハサミやナイフを飛行機に模った作品だが、蔡さんならではのユーモアが感じられる。

 「米国の空軍基地で行われた航空ショーで、戦闘機に空中で山や滝を描いてもらい、山水画を作ってもらったことがある。軍の関係者もこんなことは初めてと驚いていたが、皆すごく協力的で、僕も楽しかった」

 海のシルクロードとして、古く西方との貿易で栄えた福建省泉州の出身。古い寺々、文革時代に山に刻まれた巨大な毛沢東像が少年時代の記憶だ。上海で美術を学び、水墨画家である父の勧めで、中国の古い文化を発見するために各地を放浪した。1986年から9年間日本に滞在。職人たちとの交流で花火の技術を習得。「素材へのこだわり、仕上げの美しさなど、日本の花火はすばらしい」という蔡さんは、現在ニューヨークで米国人スタッフたちとコンピューター制御による花火アートを探求している。

 過激で奇抜なアイデアばかりが目につくが、底に流れる精神は静謐だ。近年は仏教に心を寄せ、東京の寺院に頼まれて釈迦の一生をテーマとしたレリーフを制作した。多忙な日常から逃れ、今年はラオスの山寺にでかけ、一ヶ月ほど修行する計画を立てているという。

 昨年初め、中国と向き合う台湾の"最前線"だった金門島の軍事施設で、海峡両岸の交流を目的とした現代アートの展示会を開催、そのディレクターを務めた。次の大きな目標は当然、北京五輪?「うん、ちょっとまだ今は言えないけど、まあ期待していてください」(文責:日中メディア研究会 石山俊彦)

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