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中国人教員として(一)
   2005-08-19 18:49:41    cri
        東大阪・盾津中 (ニイナン)

 東大阪市立盾津中学校の中国人教師・ニイナンです。今日、こういう勉強会があって、うれしく思います。

 私自身は、9年前、中国のハルピンから大阪へ来ました。留学生として大阪教育大学の修士課程を終えて、現在は、中国から来た子どもたちの勉強や生活のことなどの手伝いをしています。この3年間(今年で4年目)で私自身が感じたこと等を話していきたいと思います。

(1)日本に来た経緯を明らかにすること

 最近、中国から来た児童・生徒が増えてきて、ほとんどは公立の小学校・中学校・高校に通っています。この子どもたちが、なぜ、日本に来たかということは、侵略戦争とかかわっており、重い歴史を背負った親や祖父母を持ち、この歴史ゆえに日本に来ているのですが、実際、教育現場に行ってみると、「なぜ、中国から日本へ来ているのか」を知らない日本人生徒ばかりなのです。ですから、まず、教育現場で、中国人の子どもたちが、なぜ、日本に来ているのかを、はっきりと明らかにしていくことが大切だと思います。

 親の仕事の関係で外国へ行き、帰国するケースが増え、帰国子女の問題がよく取り上げられていますが、こうしたケースとは、明らかに違っているのに、文部省の書類を見ると、「中国帰国子女」という言葉があります。東大阪市内では、「中国帰国子女」という言葉は使わず、「中国からの子ども」「中国から来た子どもたち」というように呼んでいます。

 「帰国」という意味は、それぞれ違いますから、中国から来た子どもたちの場合は、戦争と深くかかわっているので、教育現場では、きちんと、日本人の子どもたちに、正しい歴史を教えるべきだと思っております。

 昨年のことですが、私は中国へ帰り、ハルピンの市内にある「七三一部隊」という「石井部隊」の残酷な歴史の陳列館に行き、そこで、写真やビデオをとって来ました。それを府立高校の研修会に持って行こうとしたところ、日本人のある先生に、写真の内容をたずねられました。「七三一部隊」の生体実験のこと等を説明すると、その先生は「日本人はそんなことは絶対にしていない。」と言いました。私はとてもショックでした。どんな気持ちで、その先生が言ったのか分かりませんが、やはり、正しい歴史認識・正しい歴史観を持つことが大事だと思います。

 もう一つは、昨日のことです。東京に修学旅行に行き、昨日帰ってきたところなのですが、その帰りの新幹線で、大阪の中学生たちと出会いました。そこの先生たちが、私のことを中国人の教師だと分かり話しかけてくれました。その先生は、歴史をあまり詳しく分かっていないようでしたが、「故郷はどこですか」とたずねられました。「ハルピンです」と答えると、「ハルピンですか。それは、満'州国のハルピンですね。」と言われました。日本人がどういう気持ちで「満州国」という言葉を使っているのか分かりませんが、「満州国」という言葉を聞くたびに、いい気持ちにはなりません。その先生は続けて「満州国」のとき、中国の東北地方に日本人が作った鉄道の話をし、「今でも満鉄と呼ぶのですか」と聞かれました。戦争が終わって何十年も経,ちましたが、こういうことを聞かれました。その人が学校の先生ということで、私は、非常に複雑な気持ちになりました。私はすぐに「『満鉄』という言葉は、戦争が終わった時点で、その言葉自体が消えました。歴史の本や資料にはのっていると思いますが、現在の中国では『満鉄』という言葉はありません」と答えました。

 日本の社会科歴史の教科書を読んだことがあります。日本では「日中戦争」と記されてゴいますが、中国では8年間の悲惨な戦争を「抗日戦争」と呼んでいます。日本の教科書では、わずか2、3ぺ一ジしかのっていませんが、中国では、もっともっと詳しく書かれています。

 盾津中学校では、中国からの子どもたちがたくさん増えてきたことをきっかけにして、昨年、人権学活の中で、「中国人生徒と手をつなぐ」をテーマにして、3時間の授業実践を行いました。そのうちの1時間は、3年生全体の子どもを前にして、私が話しました。盾津中学校に勤務して3年になるのですが、子どもたちみんなの前で話をするのは、初めてのことでした。私はとても緊張しましたが子どもたちは、意外に真剣に、静かに、私の話を聞いてくれました。子どもたちの感想文には、「今まで全然知らなかったことを、ニイナン先生から聞いて、とてもよかった。」というものがたくさんありました。盾津中学校に中国人の生徒がいるからこういう取り組みが徐々にできるのですが、全く中国人の子どもたちがいないところでは、どういう状況かわかりません。盾津中学校では、同和教育推進委員会が中心になりながら、こうした人権学活等の取り組みをしています。正しい歴史を踏まえた歴史副読本などの関係教材を作る必要があります。

http://kangaerukai.net/135niinan.htm

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