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2002年に世界文化遺産に登録された青城山は成都市の北西部に位置し、成都市から約60キロ離れています。山麓の海抜は726m、主峰の老宵頂の海抜は2434m、一年中うっそうと茂っている原生林と城壁のように繋がる峰峰から青城山と名付けられたのです。人の手があまり入っていないため、数多くの野生動物や瀑布、原生林などが、「青城天下幽」と言われる青城山の独特な景観を呈しています。 紀元 143 年、百歳を超えた張陵がここで中国の伝統宗教・道教を創設して、地元から広めていきました。やがて中国全土に広がり、今も中国人に深い影響を与えている伝統宗教になりました。
現在、青城山に沢山の道教のお寺が残っています。「上清宮」は最初晋代にできたもので、現存するものは清の同治年間に建て直されたものです。歴代の有名人がよく訪れたお寺なので、沢山の文化財が残され、青城山の中でも最も有名な道教のお寺となっています。お寺には「天下第五名山」、「青城第一峰」などの石刻、蒋介石が書いた「上清宮」の扁額、千年の歴史を持つ道教経典「道徳経」の木彫り、清の時代にできた道教の教祖・老子の銅像などがあります。他の代表的な道教のお寺としては建福宮、天師洞、祖師殿、朝陽洞などが上げられます。建福宮は青城山の入り口にあり、唐の時代にできたお寺で、交通が便利なので、現在でも線香がよく焚かれ、お参りが絶えないお寺です。天師洞は道教の始祖・張道が陵の修行と説法を行った地だと言われています。洞窟の入り口には一本の巨大な銀杏の木が茂っています。高さ50m、直径2.24m 、樹齢2000年以上と言われています。伝説によると、張道陵が最初に植えた木だそうです。 これらのお寺はずべて山の形に沿って建てられ、建物の屋根や内部構造などが数字の「三」を表現しています。全ての建築が「一から二が生まれ、二から三が生まれ、三から世界万物が生まれる」という道教の基本的な考えに基づいて建てられたということです。また、建物には華麗な壁画や浮き彫りなどが施され、道教の「清静無為、健康長寿」思想を表しています。特に一番高い峰にある「上清宮」正門の入り口に彫刻された「道教太極図」は道教の「天人合一、陰陽合一」の基本的な世界観を集中的に表現しています。
青城山で修行してる道士達は長い時間をかけて、沢山の素晴らしい道教文化を作りました。代表なものは、火薬製造技術、漢方薬本と道教音楽などです。
1、火薬製造技術
道教の考えの一つが「不老長寿」であり、歴代の道教修行者は皆「不老長寿」を得るため、いろいろな長生きの薬・丹薬を造り続けてきました。8世紀の半ば、青城山で修行する道士清虚子は長生きの丹薬を造ろうとしている時、偶然、火薬を造りました。これによって中国人は欧米人より約1000年も早く火薬の製造技術を獲得しました。
2、漢方薬本
唐太宗時代、道士孫思邈は漢方薬の材料を探しに青城山に来て漢方薬を探し研究した結果、漢方薬についての大作である「千金方」を著しました。この本は今でも漢方医学の必読薬本になり、孫思邈には「薬王」という名も付けられました。
3、道教音楽
清の咸豊皇帝時代、道士張孔山は都江堰の道教のお寺・二王廟で長く修行していました。琴の演奏が大好きな彼は都江堰を流れる岷江の流れの音を長年聞き続け、その美しい川の音を表現する琴曲・「流水」を作りました。この「流水」という曲は世界の音楽研究者から東方音楽の傑作とされ、 1977 年には、アメリカ人がこの曲を宇宙船「ボイジャー2号」の中で流し、宇宙空間でこの東方の美しい音楽を響かせました。
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